爆裂BOX

ミッドナイト・マーダー・ライブの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.8
メル・ギブソン主演のサスペンス・スリラーです。
メルギブ演じるベテランDJエルビスの過激なトークが売りのラジオの深夜放送中、電話してきたゲイリーという男は彼によって恋人を失った復讐の為、エルビスの妻と娘を誘拐したという。エルビスが必死で説得を続ける中、自宅に駆けつけた警察からは家に妻子の姿はないという連絡が。更にラジオ局のあるビルで警備員の死体が見つかり、多数の爆弾が仕掛けられているのが発見される…というストーリーです。
メルギブ演じるエルビスがどの程度クソ野郎なのか微妙にわからないので、ある程度感情移入出来て「ザマァ」感より、どうなってしまうのか結構ハラハラしながら見れました。電話や放送設備越しに煽りまくるサイコ野郎ゲイリーの妙に明るい声も結構イラっとさせてくれますし、必死で足掻くエルビスをあざ笑うかのような先回りぶりと用意周到さも見応えありました。
ワンシュチエーション物ではありますが、前半はラジオブース内での密室劇として展開し、後半からはラジオ局のビル内で隠れているゲイリーを探してビル内を駆け回るという、状況を変えたりして一本調子にならない様に変化をつけているので飽きずに見れます。自宅に押し入って妻子を監禁していると思いきや警察が自宅に行くと無人だったり、ラジオ局に爆弾仕掛けられてたりと中々先が読めない展開で、話が進むにつれて犯人の動機や真の目的が明らかになっていく謎解き展開も面白いですね。
主人公と新入りのADの青年が協力しながらビル内に潜む犯人に迫っていく展開もバディ感感じさせて面白いですね。
ラジオブース内で犯人と対峙してからの最後の展開も緊張感盛り上げてくれます。ヘラヘラした犯人のムカつくサイコ具合もいい感じでした。
最後に明らかになるオチは最近見た映画でもあったし、フィンチャーのアレを彷彿させますが、あそこでの「謝ってるんだから~」「おいおい、戻って来いよ」というへらへらした感じはマジで気持ち悪く感じました。人を傷つけてるかもとか微塵も考えず、何ならあっちがノリ悪い奴みたいな空気生理的に気持ち悪かったです。その後の更なるオチは読めましたが、ハッピーエンド風だけどあんな目に遭って「ラジオブースには二度と座らない」とか言ってたのにカラッと忘れて笑ってる主人公見るといつか本当にやらかしそうだなと感じました。
最後のオチは賛否両論あると思いますが、最後の方までのサスペンス展開はテンポも良くて緊張感もあって楽しめました。