N

スイマーズ:希望を託してのNのレビュー・感想・評価

スイマーズ:希望を託して(2022年製作の映画)
3.9
生きるために捨てたもの・拾ったものが痛々しくて、胸が締め付けられる映画。
印象に残るシーンがいくつもある。
ダマスカスの爆撃シーンで、父親と姉がYusraを助けようとプールに飛び込むところ。イスタンブールの露店になんの悪気も無いような雰囲気で救命胴衣が売られているシーン。船を軽くするために大会のメダルを海に捨てるところ。泳ぎ着いたLesbos島に山のように捨てられたオレンジの救命胴衣。難民の女性たちが少しでもヨーロッパで浮かずに逃げられるようヒジャブを外す場面。やっとの思いでベルリンに着いた夜のクラブミュージックと涙。オリンピックに出場するYusra に向けた、強制送還されてしまった難民仲間からのビデオメッセージ。
人生のあらゆる側面を削りながら、命だけは守り抜きたいという思いが本当に痛々しくて辛い。
N

N