デニロ

マッチングのデニロのネタバレレビュー・内容・結末

マッチング(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

予告篇を観ながら、こいつが怪しいと思ってた男が予定通り逮捕され、そして、鑑賞中にもしやしてこいつらは血を分けた兄弟姉妹ってことなんじゃないかと思ったらその通りだった。/ラスト1秒、あなたの愛が反転する。/って何のことかと思って気にしてたんだけど、この辺になると引き伸ばし過ぎて脱力していた。

斉藤由貴の横顔が前半でチラリと出ていて、すぐに消えてしまうんだけど、そんなわけないよな、そのうちにまた出て来るんだよね、と思っていると最終盤の忘れた頃に再登場。その再登場時にわたしは引っ張られ過ぎていていささか飽きていた頃なのでした。

土屋太鳳/輪花は結婚式場のプランナーとして活躍しているけれど、週末居酒屋で待ち合わせるのは実の父親/杉本哲太。焼酎!梅入り!それと、ししゃも!荒れてるな、と父親の揶揄われます。29歳の女子が週末に父親と居酒屋だよ!と自嘲する。

わたしは全く知らないけれどマッチングなるもので付き合う相手を探すんだそうで、自分のプロフィールを入力しておいて、何やらかにやらして、気になったプロフィールを持つ人をチェックすると相性の度合いが出て来るということらしい。で、そんなんで会いたい、会いましょうっていう風になるんだろうか。怖いもの見たさ。サスペンス。事件になるよね。最近そんなニュースが頻繁に報道される。殺人だの暴行だの美人局だのロクなものじゃない。以前、大手婚活サイトはアカサギでいっぱいだと揶揄されていたけれど。

本作では、輪花が式を担当した新婚夫婦が続々と猟奇的に殺されます。

輪花は職場の友人片山萌美/尚美に急かされるようにしてマッチングアプリに登録する。尚美が輪花のページにいいねをしている男たちを品定めして、これいいじゃんとみると相性も抜群で、と。先方の佐久間大介/永山吐夢からも会いたい、で、しながわ水族館で待ち合わせ。そこに、僕は不幸な星の下に生まれました。生まれてすぐコインロッカーに捨てられて云々、と呟きながら吐夢が登場する。輪花は露骨に嫌な顔を致します。

都合のいいことに輪花の勤務する結婚式場と、輪花が登録したマッチングアプリを運営する会社が共同で事業を展開するということになり、そのプログラマー金子ノブアキ/影山剛にトムの事情を相談すると、この男はと、個人情報をバラしてくれるのです。

そんなこんなで家でぐったりしながら食事をしていると非通知電話がかかり、受話器を上げると、父親を出してくれ、と女性からの電話。お名前は、問うと矢庭に切られてしまいます。それを聞いた杉本哲太は暗い迷宮の中に入り込みます。

え、まだ謎が加算されるのかよ、と面倒になってきます。

そして杉本哲太の迷宮が延々とスクリーン上で展開されます。

今思い返してみても謎のシーンがあって、斉藤由貴が車椅子の夫人に封書を渡すと、その中に輪花の写真と、親子三人の写真と、母さんを苦しめた男をようやく見つけたよ云々の手紙が入っていて、それを見た夫人の口元が緩むのですけれど、これが後々の叙述トリック以外の何物でもないと分かるんですが、何でニヤリとさせて観客をミスリードさせようとしたんでしょうかね。

なんやかんやとようやく事件が解決したかと思って、刑事/真飛聖に、あの人が猟奇殺人事件の犯人ですね、と問う輪花。真飛聖は捜査が終わってからでないと断定はでいないと、めんどくさいことを言って、観客にも、まだ何かあるんだとサインを送る。

で、一段落目のあれやこれやが説明されて行くのです。

尚美も惨殺され杉本哲太も死に、天涯孤独になる輪花のこころにコインロッカー上がりの孤独の旅人吐夢が入り込んでいくのですが、ラスト1秒となるのです。
デニロ

デニロ