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離ればなれになってものmasayo3taのレビュー・感想・評価

離ればなれになっても(2020年製作の映画)
4.0
離れ離れになっても

Gli anni più belli

なんで最近ワルツに惹かれるのかわかったような気がした。私の人生も終盤なんだと気付かせてくれるせつないワルツのリズム。
美しく踊り続けたいと思わせてくれた映画。

若い頃の人との関わりって大事よね。自分の若い頃のバカバカしさも子供達が悪ガキだった頃のこともとても愛おしく思い出しました。

ジェンマがいつまでもなぜこんなにモテるのかわからないでいたけれど、息子を一人で育てあげパウロと結婚した彼女はとても美しく見えた。頑固でまじめで知的で生き方を貫いたパオロにはずっと見えていたんだね。彼女のこころの奥底のキレイなもの。

たぶんミニシアターで私が一番泣いていたかも。思いがけずクラウディオバリオーニの思い出の曲がエンドロールに流れて心掴まれてしまった。

私より少しだけ下のイタリアの世代の本音が映画の中で聞けた。すごくよくわかる。
自虐 反省 言い訳、でも悲観的な態度はいやだ。そこはとてもイタリア的だと感じた。
傷跡は生きてきた証拠。、笑顔はそれを克服してきた証。良い言葉だ。

10代の青春を共に過ごした少年三人と少女1人の、出会い諍い別れ、そして再会を描いています。同時代の40年にわたる国内外の出来事をニュース映像で差し込んんでいるので長い年月が実感できる、でも同時にとても短いとも感じて不思議な時間の感覚だった。

国選弁護士のとして弱者のために働いていたリッカルドはいつしか出世を果たし逆の立場に。さめた仮面夫婦を演じているが愛娘に対する愛は深い。
お調子もののジュリオは映画の道に進んだが職がなく女優のタマゴとの結婚も経済的理由で破綻。しかし別れざる終えなかった息子のアルガードを愛し続け、どんなに拒まれても諦めず愛を伝える。
教師になったパオロは長い年月をかけてようやく望んでいたカタチの仕事を得る。自分を曲げない生き方をして、最後には一度は別れれたジェンマと結婚する。

四人の人生は終盤再び交差することになり、再会を祝してちょっと照れながら昔のように声を揃えて言う。
「胸を熱くするものに乾杯🥂❗️」
心に残るこのワンシーンを山崎マリがイラストに書き下ろしています。ここに載せられないのが残念。
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