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ローマで夜だったのmasayo3taのレビュー・感想・評価

ローマで夜だった(1960年製作の映画)
4.0
池袋文芸坐。
数ヶ月前に観たものを思い出して書く。ロッセリーニの中期の貴重な未公開作品を字幕入りでこの時期に採算ギリギリで私達に届けてくれたことに、まず感謝します。

風に吹かれる旗みたいなイタリア人
生活がよいとみんなファシスト。だめになりムッソリーニが失脚すれば一度もファシストではなかったようにふるまう。
これがイタリア人。
原爆二つも落とされるまで戦争をやめなかった国と対照的だ。

戦争末期の無防備都市ローマの混沌を生きる市井の人々を描いているものだが
重要な出来事はスペクタクル的にしないで淡々と描き、私達観客には後から知らされることも多い。潔いほど削ぎ落とす。だからなのか、私達は主人公のこの先、国のこの先について終始冷静な眼差しをもって見ることができる。
生きていくこの先のことを考える。

モノクロの美しい映画。
映画館での初ロッセリーニでした。

数年前にオルミ監督の未公開作品が文芸坐で上映されたけれど、
それもとても良かった。
未公開の素晴らしい作品て、まだまだ沢山あるのでしょうかね。
見逃さないないようにしようと思いました。
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