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離ればなれになってものmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

離ればなれになっても(2020年製作の映画)
3.5
16歳の頃いつも一緒だった3人の若者と一人の女性の40年にわたる愛と友情の遍歴を描いたヒューマン・ドラマ。
1982年から2022年のローマを舞台に、デモの鎮圧、ベルリンの壁の崩壊、9.11テロ事件など歴史的な事件を織りまぜながら展開する人間賛歌になっている。
監督はガブリエレ・ムッチーノ。
脚本は監督とパオロ・コスッテラの共同。
原題:(伊)Gli anni più belli(意味は最高の年)、(英)The Best Years (2020年、PG12)

1982年、ローマ。
16歳のジュリオ、リッカルド、パオロの3人は、デモ騒動に巻き込まれたことがきっかけで仲良くなる。
パオロは同級生のジェンマと恋に落ち、4人はいつもつるんで青春を謳歌していたが、ジェンマは母の死によってナポリに住む伯母に引き取られパオロと離ればなれになる…。
それから7年後の1989年、ジェンマと再会を果たしたパオロだったが、その隣には彼氏がいた…。
高校教師を目指すパオロ、映画作家を目指すリッカルド、国選弁護士を目指すジュリオ、そして「宝石」という名前を持つジェンマのその後は観てのお楽しみ…。

~登場人物~
①ジュリオ(ピエルフランチェスコ・ファビーノ、10代はフランシスコ・チェントラーメ)
・ジュリオの父(ファブリッツィオ・ナルディ):貧しい整備工。
・政治家セルジオ・アンジェルッテ(フランチェスコ・アクアローリ):血液製剤問題で訴追される元保健大臣。マルゲリータの父。
・妻になるマルゲリータ(ニコレッタ・ロマノフ)
・娘ズヴェーヴァ(Elisa Visari)

②リッカルド/イキノビ(クラウディオ・サンタマリア、暴動で死にかける10代の頃はマッテオ・デ・ブオーノ)
・母、ルシア(フェデリカ・フラボーニ)
・女優を断念して妻になるアンナ(エンマ(エンマヌエラ)・マッローネ)
・息子アルトゥーロ(マッテオ・ツァノッティ)
・アンナの母ルシアナ(アントネッラ・ヴァリトゥッティ)

 ③パオロ(キム・ロッシ・スチュアート、10代はアンドレア・ピットリーノ)
・母(Paola Sotgiu)

④ジェンマ(ミカエラ・ラマゾッティ、16歳時はアルマ・ノース)
・伯母、イヴァナ(Titi Nuzzolese)
・10代の頃の彼氏(アンドレア・パッツェッリ)
・ナポリ時代の彼氏ヌンツォオ(ジェナーロ・アピチェッラ)
・息子、レオナルド(イラン・ムッチーノ)

「大きく考えるんだ」

「2000年前、プリ二ウスも若者の未来を憂えていた。彼の予測どおりなら、人類はとっくに終わっている。年寄りはずっと若者にケチをつけてきた。だから若者は年寄りの悪口を言ってきたってのが事実さ。
…"残された傷痕は厳しかった現実の証"  "笑顔は自分たちがそれを乗り越えた証" 笑顔だよ。
何の映画だ?
映画じゃない。
じゃ、なんだ?
マザー・テレサだよ。
やるね。
マザー・テレサに乾杯!」

"トレビの泉"(←マストロヤンニ主演の「甘い生活」)

始めは雑でチープな映像表現だなと思って観ていましたが、次第に"ドラマ"に魅せられていきました。
シリアスな場面もあるが、イタリア映画らしく、暗くならず明るい人生賛歌になっているのがよい。
人間には欠点が多いので間違いを犯したり、理想どおり行かず人生の壁にぶつかったりしますが、愛と友情は永遠でかけがえのないもの。いろいろあってもやはり人生はそう捨てたもんじゃないと思わせます。
なお、原題はテーマ曲であるクラウディオ・バリオーニの歌のタイトルになっています。
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