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オットーという男のnumasanのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
4.2
トム・ハンクスさん主演というだけでも観たいと思えるのに、役柄が今までにない偏屈なおじいさん役と聞いてなおさら観たいと思いました。
始めのうちは、曲がった事が大嫌いな堅物で自分のことは放っておいてくれと言わんばかりの面倒くさい爺のオットー、でもなぜか面倒くさい頼み事を引き受けてしまうところがクスッと笑えましたし、この微妙にコミカルな感じをトム・ハンクスさんは見事に演じていて、凄いなと思って観ていました。
ところどころオットーの回想シーンが出てきて彼の若い頃の様子や亡くなった奥さんのソーニャとの出会いのことが詳しく描かれてましたのでふたりの夫婦仲がとても良かったことが想像できました。そんな人を失ったら…、ちょっとその絶望感は計り知れないと思いました。
でも、新しく引っ越してきたマリソル達と出会い交流をして少しずつ変わってゆくオットーの表情がわかります。
全編通してオットーの近所の人達の暖かさがにじみ出ているのが感じとれて素敵な映画でした。音楽も透明感のある素敵なもので、非常に印象的でした。
最後はちょっと泣いてしまいました。
スウェーデンのオリジナル版も観てみたいと思います。
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