よふかし

オットーという男のよふかしのネタバレレビュー・内容・結末

オットーという男(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

奥さんに先立たれた、地域でも有名な偏屈じいさんのオットー。人生に意味がなくなり自殺をしようとするが、新たに引っ越してきた騒がしい隣人家族を筆頭にことごとく邪魔され、いろいろと世話を焼くはめに。人との繋がりの良さを感じられるハートフルストーリー!

いや〜良い話だった。オットーさんがほんとにリアルなじいさんで煙たがれるの分かるし、でも奥さんへの愛は深くて、地域のことも大切にしてて、なんだかんだ面倒見早くて……。なんていうか、人間の多面性を感じた。そんなオットーさんの日常に土足で踏み込みまくる隣人家族の遠慮のなさに、日本の都会に住む私は辟易しちゃったけど、でもそれがオットーさんの心を救ってくれたんだよね。わずらわしくて、腹立たしくて、必要ない!って突っぱねてしまいたくなる繋がりだけど、人は人と繋がってないとダメになるのかな。たった一人で生きられる人なんかいなくて、知らず知らずのうちに誰かの思いやりに触れている。縁だなあ😌

オットーさんは〝絆された〟って表現がぴったり。絆って良い意味で使われるけど、実はちょっと怖いというか、「断とうにも断ち切れない人の結びつき」って重い意味もある。オットーさんは世界との繋がりを断とうとしたけどムリだった。てかムリで本当に良かった!
子どもはいなかったけど、最期、自分が亡くなったことにすぐに気づいてくれて葬式に来てくれる人たちと、自分の財産を託そうと思える人たちに囲まれて、すごく幸せな終わり方。良い話だった!
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