子供に教えたおまじないによって次々と起こる怪奇現象を描いたカンナ・ハシモトとダイキ・シゲオカ主演で中田秀夫監督によるオカルトホラー。
亡くなった妻の指を土に埋め、おまじないを唱えることで彼女を甦らせようとする様は「ペット・セメタリー」風で人間のエゴを描いている点も共通。CGが多めで車の窓にカラスが突っ込んできたりバラバラの体が繋がる所はもっと生々しさが欲しかったですしファーストサマーウイカ演じる妻が序盤に言った「もう裏切らないでね」という台詞は主人公が好意を寄せ誠実に見える夫の本性を暴く伏線かなと思いきや単なる独占欲の強さの表れでしかなかったのは拍子抜け、その彼女のビジュアルも典型的Jホラーな色白黒髪ロングですが「この泥棒猫！」と昼メロ風に罵倒したり斧を持って襲い掛かってきたりと化け物の割にアグレッシブなのがユニークで、他にもロンパリの如く目が変な方向に向く様やシソンヌ長谷川演じる胡散臭い霊能力者等怖さは全く感じさせませんが見方によってはユーモラスな要素多めで楽しめました。
カンナ・ハシモトの怯えているのに変顔に見えてしまう表情もやはり怖さは無いですが〇。数多くのJホラー作品にさり気無く出演しているタロウ・スワもミチコ・シミズの失踪中の間抜けな夫役でちょっとだけ出演。評価が大きく分かれる近年の中田監督作品ですが、今作は個人的には思ったより悪くは無かった感じでしょうか。
