無分別に、身勝手に曖昧な価値観で自分の世界を構築しているなぁと染み染み実感してしまう。
パキスタンの文化、社会や性的価値観も理解してないのでなんとも言いづらいけど…
家父長制度や男女に関する慣習、風習、しきたり、習わしとかの押し付けと同調圧力。
ジェンダーについてもタブーというよりも古来の価値観=正義という風潮も見え隠れして、センシティブな人びとには大変生きづらい世界なのだろうなと思った。
そうは言っても人はヒト、そして一度きりの人生…戒律も禁忌も風習もあるけど自分勝手に生きてみたいというのも自由。
だからこそムムターズがその狭間で心も何も押し潰れてしまったのかなと胸が傷んだ。
こういう問題については何が先進的なのか正直答えが見つからないし、この間観た日本の『正欲』と比べてみてもやはり排除されたり、忌み嫌われたりする感覚も根強くある気がして、根の深い問題だなと改めて実感した。
ムムターズの最後の選択はどうにも悲しいかったけど、自国で上映が禁じられるほどのメッセージ性を持つ作品にあっては、あれが精一杯のラストシーンだったのかも知れない。
出てくる男性陣が本当に最低に映ったけど、ハイダルとムムターズの馴れ初めだけはとっても優しいシーンで好きだった。