Mariina

それでも私は生きていくのMariinaのレビュー・感想・評価

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)
3.9
冒頭から昔のフランス映画らしさが映像にも音楽にも字体にも感じられて、素敵な映画が始まると期待。
自分にとって忘れられない作品になった。
そうだよ、人生ってこうなんだよ、描いてくれてありがとう、ミアハンセンラブ。
映画ってテーマを絞って描くことがほとんどだけど、仕事してる人は仕事のことばっかり考えて生きてないし、恋愛も子育ても介護もそう。常に色んなことが同時進行で起きていて、色んなことを考えながら日々が過ぎていき、季節は変わっていく。
辛いことと楽しいことは交互にきてそれでバランスをとってる。一番辛いことを、父でもなく母でもなく恋人に話すのも分かる。パリの介護施設事情も大変そうだ。
記憶がどんどんなくなっていくお父さんの手記ノートは、ミアハンセンラブの実父のものらしい。監督はちゃんと辛い過去と向き合ってる。おばあちゃん役は本当の100歳のおばあちゃんらしい、元気!
そして初めて普通の人を演じるレアセドゥがたまらなく良かった。
ベリーショートにTシャツにリュックで、他の出演作とは真逆の色気なしの格好で、内からでる美しさったらもう。多分いままでの作品で一番美しい。
裸で寝そべる後ろ姿は西洋絵画のようだった。
メルヴィルプポーもかっこいい。
モンマルトルの丘でのラストよかった。
Mariina

Mariina