このレビューはネタバレを含みます
鑑賞メモ
とある誰かの話
誰にでも起こりうること
夫を亡くした悲しみと向き合う暇もなく(恐らく)父親が病に臥す
敬愛する父親を失う過程を少しずつ、細かに、目の当たりにしなければならない現実
仕事を忙しくして、生き生きと成長する娘に想いを注いで、考える隙を自分に与えない
自分の思いに蓋をしすぎて麻痺していく
自分を語ることを忘れる、言葉にするのが怖いのかもしれない
久しぶりに出会う恋で得る、一糸纏わぬ姿で溢れていく、抑えられなくなる感情、感情も裸になっていく
誰かのためではない自分自身の人生
クタクタになったリュックサックから紐の細い赤くて小さなバッグへ
父親と向き合うサンドラ、恋人と向き合うサンドラ、対比が良かった。
混ざり合ってひとつになっていく様子
サンドラを前に恋人の名を呼び続ける父親の姿は辛かった