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愛と哀しみのボレロのtheocatsのネタバレレビュー・内容・結末

愛と哀しみのボレロ(1981年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレ
何と赤十字のプロパガンダだったとは・・・

若い時に見て訳が分からぬまま静かな感銘を受けたことだけが記憶に残っていた。
今回ン十年ぶりに視聴して、これほど間延びした場面が続くことにまず驚いてしまった。もちろんラストのクライマックスにすべて集約されることになる必要不可欠かつ周到な演出の一環なのは理解してはいるつもりだったが。。
もうほとんど記憶にないシーンもあったので、とある映画館のリバイバル上映は要約版だったのかもしれないと戸惑ったほど。でも2時間ではなく確かに3時間観た記憶もかすかに残っている。つまりは記憶などあてにならないということ。

登場人物の各エピソードは上の感想通り間延びしているところもあれば簡潔に表現されているところもある。親と子の一人二役は明らかに無理がある場合と無理を感じない場合がある。
いずれにしろ第2次世界大戦ヨーロッパ戦線という共通の「痛み」を直接経験、あるいは子として間接的に受け継ぐ者が一つの舞台に制作者、演者、観客という形で集う、その重要な架け橋を受け持つことになったのが赤十字とユニセフだったことに今回気付き、しばらく唖然としてしまった。
そして、舞台で踊るジョルジュドンのバックのエッフェル塔に赤十字のフラッグ。なぜか周囲に赤十字マークのヘリコプター。そしてエンドの赤十字トラック連隊と赤十字尽くしにすっかり興醒めしてしまった。

その当時の赤十字ユニセフはまだ高潔な意志・目的を持ち得ていたのかもしれない。いやいやもちろん現代でもそうなのかもしれないが、様々なネガ情報(フェイクの可能性も当然ある)を仕入れてしまった現在の私にとって、過去の感動を打ち消す十分な要因となってしまったのは何とも残念な話。

と、以上が鑑賞直後の率直な感想。
ディスク付属の小冊子やネット関連情報などを読んで、自身の勘違いがあれば訂正し、追加感想など沸き上がってきたら書き加えていきたい。

012003
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