劇場で観た方が良いという意見には同意。
世界レベルと言われるのも納得の凄まじいゴジラの迫力とこれ以上ないくらい臭い人間ドラマを映画館で目撃するのはなかなかの体験だった。
ゴジラが出てくると凄く面白くて最高だった。開始早々見せてくれるのも良い。
今回のゴジラは攻撃的で怒っている感じがするのが怖かった(海から顔少し出してる所とかは可愛い)
苦手な監督の作品だけれどゴジラの躍動を映画館で観れるだけでも有り難い…
そして観てみたらゴジラがちゃんと凄かったんだからそれで良いんだけどきつい所が思った以上にきつかった。
怪獣映画や特撮映画の説明台詞は慣れているけどそれより人間ドラマの方で無粋だと思うような台詞が多くてきつい。
例をあげていけばキリがないけれど印象的な所はゴジラとの戦いに若造は連れて行かないと言われるシーン「なんで俺は連れてってくれないんすか！！」と叫ぶ若造。
そんな若造に背を向け「これからの未来はおまえらに任せたぞ」と口に出す、しかも本人には聞かせず横のやつと観客にめちゃくちゃ聞こえる声。
苦手な監督と分かってたんならある程度自分の頭でチューニングして観なさいよって話かもしれないけどちょっとこういうのが多すぎた。
良くも悪くも山崎貴監督を舐めてたのかもしれない。
この映画のドラマ性の部分で一番興味深かったのは自己犠牲を美徳とする精神ってどうなんだという所。
序盤から観客にその問いをしてくる感じがして良かった。
だからこそ終盤にかけてどんどん残念だった。
100%死ぬわけではないと聞かされつつも相手は超怖いゴジラなので覚悟は決めて人々は戦いに向かう。
皆、生きて帰ってくるぞという意思は持ちつつも戦場に行く。
その流れがあっての佐々木蔵之介の「見てみろよ、あいつら良い顔してる」みたいなヤバイ台詞。
そこに「良い顔してる」って言っちゃうのってどうなのと思うし、しかも本当に良い顔っぽく引いて皆映すのが最悪。
これだと男達が戦争によって男性性を取り戻すアツい話と捉えられてもおかしくない気がする。
この演出で演技の良し悪しを言われると俳優の仕事って大変なんだなと思った。特に佐々木蔵之介。
浜辺美波は素晴らしいけど『シン・仮面ライダー』に続き巨匠おじさんの女性観を背負わされている様に見えるのでそろそろ違う感じの作品で観たい。
安藤サクラに関してはいつの間にか近所のオールウェイズ世話焼きとして淡々と任務を全うしていた。
二名しかいない主要女性キャラが100%男性の都合の良いように動いてくれる。
人格までいつの間にか変わっていた。
この時代はそうだったんだと言うならその他の時代背景もしっかりやれば良いのに。
終盤～ラストに後だしじゃんけんが悪目立ちしていたのもかなり不満。
これだけ文句を言っててスコア3点なのはゴジラの活躍は本当に凄かったからだと思う。
