このレビューはネタバレを含みます
終戦直後の日本がレトロ感たっぷりに描かれる。戦地から帰ってきた者たちが皆、生き延びたことに罪悪感を覚え、死に場所を探している風情なのが良い。
-1.0のゴジラには、シン・ゴジラのような、見る者を絶望させる圧倒的、絶対的な強さはない。
しかし、打ちのめされ、戦う力を奪われた敗戦国にとっては、十分手ごわい敵だ。
「誰も死なせない作戦」というコンセプトが、あまりに令和っぽくて萎えた。
あの時代、人の命の値打ちはもっと軽かったのではないか。
だからラスト、主人公が実はギリギリで脱出していた、というのは無しにしてほしかった。
主人公が散ってこそ、あの全員が敬礼するシーンが映えただろう。
もちろん、死んだと思われていたヒロインの奇跡の生還も無しで。
まあ、自己犠牲なんて令和には流行らないのかもしれないが。
ゴジラがメインで、人間ドラマがほんの添え物に過ぎなかった「シン・ゴジラ」と比べると、本作は人間ドラマがしっかりと描かれ、ゴジラが単なる背景になってしまっているようにも感じた。