ゴジラ-1.0のBiBiのネタバレレビュー・内容・結末

すごかった。真面目に、とてもゴジラでした。
神木くんがすごくよかった。いつものぴかぴかな彼ではなかったけど、弱さと闇を抱えながらもどこかに光を求めているような、そんなキラッとする何かがある。神木くんにしかできない役だったと思います。かっこよかったです。
美波さんも、蔵之介さんも吉岡さんも山田くんもサクラさんもそして青木さんもみんな素敵だった。
お隣さんが赤ちゃんを心配してくれるシーンが泣けました。
戦後を必死に生きようとする人たちに心が震えました。みんなきっと深く傷つきながらも、残された人々はあんなふうに助け合っていたんでしょうね。

いつもは哀れなゴジラに肩入れしてしまうのだけど、人間もしっかり主役でした。
戦争が敗北で終わったかと思えば、信じられない怪獣の襲撃。想像するだに過酷な状況だけど、絶望ではなく、なんとか生きようとする人の姿がとても良かったです。生きていてくれてよかった。物語が綺麗すぎる、という評価が多いのもわかるけど、私はこれはこれでいいと思います。
でもやっぱり人間のエゴで作り出されたゴジラなのに、身勝手な、というのがこの作品の核ですね。
子供の頃は特撮の怪獣というイメージしかなく、大人になってゴジラが生まれた経緯をちゃんと知りました。私がSFに求めるのは理不尽やジレンマだったりするので、より作品を深く観られるようになりました。もはやゴジラは私のアイドル。海中で再生していたようなラストだったので、また新たな日本版ゴジラも期待したいです。

この映画を観た後にいちばん初めのゴジラを観て気づいたのですが、この-１の造形は初期のゴジラに寄せてあったのですね。
熱線を吐く時に背びれが動いて青く光るところが、少年の夢っぽくて良かったです笑。