このレビューはネタバレを含みます
ゴジラが出てきてひと暴れして帰っていく普段のやつだったらあんま見る気になってなかった。
ゴジラがいない平和な時間はゴジラ映画の定番だけど、その暮らしが瓦礫の中でみすぼらしく惨めだったのが良かった。
というか正直ゴジラ要らないくらいで、普通に神木隆之介と浜辺美波が戦後の過酷な日本をひたむきに生きていく話だけで見たいくらい…。
ただ、銀座での熱線を吐いたゴジラと黒い雨の絶望感は大事だった。
生き残った者、というより死にそびれた者の苦悩が銀座でもう一度繰り返されるのはこの映画を戦争映画に近付けていて良かった。
だからこそ、最後に浜辺美波が出てこなくて良かった気がするし、神木隆之介を脱出させなくても良かった気がする。
決して特攻を賛美したいわけではないが、死んじゃダメだという安易な説教で生き残る話にしてはいけなかった気がする。
死に損なった者の苦悩は想像を絶するという主題があったはず。
死場所を探す神木隆之介は、本来なら死にたくないにも関わらずようやく死を覚悟したわけだが、その覚悟を簡単にキャンセルしてしまったのは微妙だなと思った。
あと対ゴジラ戦がお粗末すぎて全然面白くなかった。
ゴジラ映画にするならどう討伐するかが1番の腕の見せどころのはずなんだけどあんまそこは気にしてないんか。
この映画はVFXがすごいとのことらしく、確かにすごかったのかもしれないが、別にVFXの方はお粗末で全然いいから、作戦のアイデアを面白くして欲しい。
だからゴジラ要らなかったなって思っちゃうんだな。
でも海外がゴジラとキングコングを戦わせてる中で(今日の予告でやってた)、ゴジラ元祖の日本がこれをゴジラ映画として出すことの意味は大きいと思う。
