このレビューはネタバレを含みます
ほとんどの関連作品に見られる(ハリウッド版含む)知性を持った神獣扱いとは違い、災害が生き物の形をしているかのような、人智を超えた目的すら分からない無機質な破壊が東京を襲う。
これこそ原点回帰、これぞゴジラだというような出来だと思った。
技術の進化により今の映画で描かれる怪獣は、その巨体の存在感と破壊力がとんでもない映像で、思わず体がのけ反るような迫力がある。
今作も同じく映像技術はもの凄いがそれだけではなく、目的も分からない無機質な破壊や、水圧差により体組織が崩れても、目が白く濁って飛び出した状態でも執拗なほどの敵意を向けてくるゴジラにゾクゾクするような恐怖を感じることができる。これは他の怪獣映画ではなかなか味わえないことだと思えた。
また、ストーリーも主人公敷島の内面に沿ったドラマ仕立てが思いの外良くて、これもただの怪獣パニック映画では無いと感じた点だった。
邦画特有のクサい演技が少し気になってしまうシーンもあったが、2時間と感じないほど集中できたし、小さい頃から好きだったゴジラが好きな形で観れたと思うので満足だった。
あと、巨大な(おそらく)生物ってことしか分からない状態で、水圧差なら死ぬやろって発想のワダツミ作戦が面白かった。
