このレビューはネタバレを含みます
ゴジラの映像は良かった。水しぶきのCGはリアルですごいなと思った。日本映画のCG技術はここまで進んだんだと思った。
あとゴジラに優しさがないのも良かった。迫力があったし、たしかに怖いと感じた。
あとゴジラが熱線を吐いたあと黒い雨が降ったシーンはハッとした。「戦争は終わってない」というセリフは登場人物の個人としてのセリフだったが、戦争後の人にとってもまだ終わってないということを感じさせるシーンに思えた。
いい部分はあるけど、人間ドラマの演技やセリフが大昔のダメな日本映画のままで、全然のれなかった。
人間ドラマの部分は誰かとツッコミながら観ると退屈せず楽しめると思う。真剣に観たらイライラする映画なので、ゴジラのシーンだけ姿勢を正して観るとよいでしょう。
【観ててノイズに感じた点】
・佐々木蔵之介扮するキャラの演技がオーバーすぎる。
クドイしクサイ。※佐々木蔵之介は悪くない
・感情を発露させる表現が叫びばかりで引いた。日本
映画って昔から怒りや悲しみの表現で無駄に叫ぶシー
ンが多くて萎えるけど、本作はモロに出てた。画でわからせる表現は皆無だった。感情が高ぶっても「うああああああ!」とか言わないでしょう。
演出の問題なので俳優さんは悪くないです。
・思ったことをいちいちセリフに出しすぎ。「土砂降り
だ」「いいぞ」のように、観たらわかるでしょ、言わなくていいでしょってところも言葉で言ってしまう。もかしたら観客を信用してないのかも。
・わだつみ作戦の説明シーン、セリフの掛け合いがピッタリ合いすぎていて「あぁ、しっかり練習してたんだなぁ」と感じてしまった。会話と会話の間が無さすぎて不自然だし、意見が急に綺麗にまとまるし、嘘くさく感じた。
・服が綺麗。包帯が綺麗。血が滲んでたり、時間が経って赤黒くなったりとか全くなかった。
・来なくていいと言われた山田裕貴が後から大勢連れて来るシーン、いかにも「お前らこういう展開アガるでしょ?」と言いたげな監督のしたり顔が透けて見えて萎えた。佐々木蔵之介の「来るなよ」はダチョウ倶楽部の前フリと同じくらいわかりやすい前フリなので、全然予想外じゃなかった。
主人公の行動で解せないのは、あれだけ逃げない!特攻してやる!と意気込んでたのにアッサリ脱出した心変わりした理由です。あきこちゃんの写真を見て生きなきゃと思ったのかもしれませんが、そこが丁寧出なかったので今ひとつのれなかった。あれだけ土砂降りだとか状況を丁寧に説明するのに心理描写は丁寧じゃないのどうなの。
ゴジラのシーンは三ツ星レストランのシェフがつくった料理だけど、人間ドラマは半額セール中の冷凍食品みたいな感じ。割り切って観たら楽しめる映画だと思う。