このレビューはネタバレを含みます
面白い映画!!エンタメとしてめちゃくちゃおもしろい、とっても見て良かった!!
戦争を生き延びた人々が、戦後の反戦的価値観との間で揺り動かされる様子がひしひしと伝わってきた。
今までこういう映画は見たことがなかったかもしれない、貴重な感情だったと思う。
自分の中で、三島由紀夫の戦争と死についてのインタビューが消化できた気がした。
「自分のためだけに生きて自分のためだけに死ぬというほど、人間は強くないのである」
「ただ自分のために生きようというのは卑しいことのように感じてくるのは当然なのだ」
「死をいつか来るんだ、それも決して遠くない将来に、と考えている時の心理状態は今(死を意識していないとき)に比べて幸福だった」
作戦決行前夜の登場人物たちの目の輝きを見て、大義のために死のうとしている人たちの誇りと高揚感は、確かに今の時代には無いなと思った。
生き生きとして美しく、大きな意味に向かうための生を与えられている幸福感に、羨ましさと安心のようなものを感じた。
でも、戦いに向かう人たちを見て、悲しかった。人が死ぬということはシンプルに悲しい。
大義のための死、それに向かい生きることは幸せで、美しいことなのかもしれない。
でも、やっぱり人が死ぬことは悲しい。
今のところ私は、誰かに死んで欲しくないと思っている。
死に向かいたいと思うのも、死んで欲しくないと思うのも、どちらもエゴ(エゴなどと言ったらいけないのかもしれないけど)なのだと、実感として感じられた映画だった。