集団心理の中で人間の悪意のリミッターが外れていく恐ろしさを感じた。
この映画の登場人物のように世の女性の中にも旧態依然としたジェンダー感の方を好ましく思う人などは確実にいると思うし、多様性という言葉が一人歩きしている様に感じて肩身が狭い思いをしている人もいると思う。
だが、この登場人物達はその様な社会的問題とはまた別のそれぞれ固有の悪も感じる。
ちょっと露悪的な印象が強すぎるのでもっと普通の人達が気がついたら酷いことをしていると感じる話にしてほしかった。
自分達の祖先が生き残る為に集団を形成し得体の知れない者は集団にとって危険とみなし排除してきた歴史があるので自分の中にもそういう装置は確実に備わっているのだと思う。
そこと向き合うように同じ空間を体験させられるようなワンショット撮影は没入させられて効果的だった。
だけどもう少し別のアプローチで尺も長い感じで観たかった気もする。
