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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)のRenのレビュー・感想・評価

3.0
劇場初コナン。原作は10分の1くらい、劇場版コナンは初期数本のみ鑑賞済みの状態で鑑賞。基礎だけ押さえてるレベルのほぼ無知なライトファンの自分でもしっかり楽しめた。

よく言われる①情報量/登場キャラが多い②大量の予習が必要③何も知らない人がそのまま観ても楽しめない、は、①が本当。コナン-灰原-蘭の(複雑な三角)関係とベルモットが誰かくらいは頭に入れて鑑賞されたい。

数百年前から言われている「劇場版コナンのアクション映画化」は今作でも顕在だが、それだけにミステリパートが浮いている印象があった。劇中の他の問題はアクションで解決するのにあの問題だけ眠りの小五郎で解決するアンバランスさに微妙な煮えきらなさを感じる。

平等という社会。全部の人を完全に「同一視」する相当ディストピア的価値観のシステムの前フリがあるからこそ、絶対に逃れられない人間の性差(大層なものではなく、アニメ映画で普通に出てくるような男/女描写)が「平等」へのパンチとして効いてくる。ただし対比と呼べるほど鮮やかなものでは全然ないので、製作陣が真に意図していたとしたらそれは上手くいっていたのか甚だ疑問。

エンドロール、スピッツの『美しい鰭』が流れる直前。あの言語化困難な三角関係の一つの概形を垣間見た。今作の締めとしては些かミニマルに見えるけど、灰原フィーチャーの作品として/徹頭徹尾ファンのためのお祭り映画なので大正解。

基本的に脚本はガタガタなのだけど(あのクイズの時間なに?)、年に1回は公開しないといけないクリエイター側の労力を鑑みなければならないのだろうか。

その他、
○ この設定であのトリックはさすがに安易では....。
○ ラッセン的映像美。
○ 赤井さんかっこいい。
○ ジン何かやった?
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