杵魔ねま

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)の杵魔ねまのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

組織の掟や集団心理ではなく、恩義や義理人情で動くベルモット、哀ちゃん、阿笠博士、コナン、そして蘭ちゃん。
義理人情は、つまり愛のこと。
理屈が明確にされている愛だ。
昔の日本人が持っていたもの。

常人離れしたコナンと哀ちゃんの潜水も、義理人情あってのスペシャルだ。素敵だ。
人を愛していれば、あれくらいのことは出来るのだ。

そしてこの映画は、「AI技術」や「防犯カメラ」に対する風刺にもなっている。やはり現代のそうしたものは、戦争や国家による国民管理に使われるために開発されたようなものだからだ。

現在、芸術表現のセンスがない人が文章や絵をAIで作成し、有り難がったり面白がっている。
あるいは、さまざまな場所に監視カメラが設置されている。マイナンバーカードなどの国家発行の身分証を安易な理由で提出させたりする。
他国の戦争には反対し、自国の管理社会化には迎合するのは、間違っている。戦争がAI化しようがしまいが、軍靴の音を忍ばせていることには変わらない。

「名探偵コナン 黒鉄のサブマリン」、とても面白く感激しました。

けれど、「喉仏があるから男だ」という意味合いの台詞を言うキャラクターがいて、そこだけ個人的に些かショックだった。

スピッツのおうたが、すべての嘘を、海に還した。
杵魔ねま

杵魔ねま