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水は海に向かって流れるのWacky55のレビュー・感想・評価

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)
4.3
母の不倫がきっかけで前に進むことができない主人公榊さんは、その母の不倫相手であった達夫の息子、直達君との出会いで、彼と共に現実と向き合い、一歩を踏み出していく姿を描いた作品。

感想:
予告を見た時、今年の邦画の中で個人的に一番期待できる作品だろうと勝手ながら豪語しておりました。
そして見終わって感想...とても良かったです!

ストーリー構成も丁寧に描かれていましたし、内容はネガティブでかなりナーバスなテーマであるものの、それを映像でもほんわかな感じがありながら、スッキリと描いている所は非常に良かったと思います。

編集の所に関しても、Sound Effect(例:雨の音、傘をさす音、風の音)がとてもクリアで良かった。

そして何より一番良かったのは、演者の演技!
どこか抜けている茂道の高良健吾、ちょっとクセのある颯の戸塚純貴、成瀬教授の生瀬勝久と榊の父役勝村政信の渋い演技、北村有起哉のダメっぷり父親も非常に良かったのですが、

一番良かったのは、やはり広瀬すずと大西利空君だったかな

大西君に関しては、ピュア過ぎる直達君を自然に演じているように見えて、結構良かったです。口をあんぐりする表情、榊さんの冷たい視線に動揺する姿(特に食事シーン)、真っ直ぐな目で榊さんに訴える姿は、非常に印象に残りました。

そして、広瀬すずの榊さん、さすがでしたね!
特に表情の演技が非常に素晴らしかった!
達夫と会う場面、会釈してからのこわばった表情からの静かな怒りの表情は、かなりゾッとしましたし、、
他にも楓に強く言ってしまい、 “やってしまった” と後悔する時の仕草や表情、
楓に告白された後、川原で考え事をする直達を見つけた時、ほんの少しだけ笑みをこぼす場面、
調査報告書を見て、動揺とイライラする場面、
そして直達の怒りの感情を優しく受け入れる榊さんの表情、
これらの細かな表情演技または表現が非常にインパクトに残りました。
そんな広瀬すずに、大アッパレです!
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