Wacky55

河内山宗俊のWacky55のレビュー・感想・評価

河内山宗俊(1936年製作の映画)
3.3
2024年 7本目

1936年に公開、天才監督として知られる山中貞雄によって製作された時代劇映画作品である。 わずか5年で26本の作品を残したのだが、山中作品でほぼ完全な形でフィルムが現存されている作品が3作品しかなく、その一本が河内山宗俊であり、かなり貴重な映画作品であることは間違いない。

総合評価: 3.3

演出/脚本等: 2.9
う〜ん、流れは悪くはないのですが、内容に関しては、厳しい言い方をすると何か薄っぺらに感じてしまいました。広太郎のバカさが完全に際立ってしまい、広太郎を守ろうとする市之丞や宗俊に対して、どうしても感情移入ができなかった。

ただセリフのテンポは非常に良かったと思います。

演技: 3.7
キャストの演技はとても印象的でした。特にメインである、宗俊と市之丞は、歌舞伎役者ということもあり、体の動き特に歩き方や声の表現が貫禄があって流石だなと思いました。またデビューして間もないお浪役の原節子さんの初々しい演技もかなり貴重と言ってもいいでしょう。嘆き悲しむお浪の場面は非常に見応えがあると思います。

カメラワーク等/アングル等: 3.3
30年代の作品にしては悪くはなかったと思います。照明も夜の雰囲気を見事に表現し、カメラワークを堅実だったかなと思います。

編集等: 3.1
音楽が印象的でした。

美術・衣装等: 3.6
セットは非常にクオリティが高かったと思います。江戸時代の雰囲気が非常によく出ていたと思います。
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