ここ最近観た映画の中で、一番一番ていねいに作られてると感じた映画でした。こういうていねいで繊細な映画、大好きです。
秘密基地の看板の文字に、写真立ての向き、小5という絶妙な年齢・・・
いわゆる「♪目に映るすべてのことはメッセージ〜」(というかヒント?)状態だったので、その度に「おや?」となって客観的な目で冷静に観れたので、登場人物たちの誰にも肩入れせず、みんながみんな少しずつまずいことをやらかした瞬間に気づけたんだけど・・・でも作品のテーマとして、果たしてこういう見方で正解だったのだろうか?という疑問は残りました。そうやって観ちゃったもんはもう仕方ないけど。
ただ、全ての「おや?」にちゃんとていねいな答えをくれる映画だったので、これまで観てきた是枝作品の中ではダントツにわかりやすかったです。と言うか是枝作品って観終わった後、全員の幸せを見つけようにもどうしようもできない歯痒さを感じることが多かったので、いつもと比べたらだいぶスッキリした後味。"幸せ"ってものについて、劇中ではっきり言葉になっていたおかげもあるのかな?
ただ、子どもたちが、想像していた以上にたくさんのものを抱えていたのはやっぱり辛かったです。ラストシーンは思わず、心の中で「う”あああぁあぁ〜!!」と大声で叫んでしまって、エンドロールの最中ずっと動揺のあまり目をカッ開いてました。暗闇で光るんじゃないかってくらい、ギラギラ爛々してた自覚があります。最高のラストだったことは間違いないんだけど、だけどさ、、、
あ、話は変わるけどあの星川君のブンブン回す笛みたいなやつ。見た瞬間、私も欲しくてたまらなくなったので、私の中の永遠の5歳児だと思っていたものは、実は10歳くらいだったかも知れません(ちょっと成長しました)。
それと本作における一番の戦犯セリフはホリセンの「出たか」だと思ってます。何だそれ。聞いてどうするんだ。デリカシーがないにも程がある。