このレビューはネタバレを含みます
万引き家族もそうだけど是枝監督の作品はガチ泣きしてしまう。誤解ややるせなさ全てリアリズム的な監督らしく、感動エンターテイメントとは明らかに別物で、だからこそ本当に胸が締め付けられるような感覚がある。万引き家族ではテーマが分かりやすかったが今回はどこか抽象的で、行き着く先が分からない不安もあった。母親と先生、湊の3人の視点が火事を起点にして別々に描かれておりミステリー小説を読んでいるかのような感覚があり、多くが分かったあと迎えるあの美しいエンディングは圧巻だった。メタファーが多く観客に解釈を委ねる部分も少なくなかったがそれでも是枝監督の雰囲気は一層強く思え、そこまで突き詰めたのかという監督の変態性を感じ取れた。
母と先生が見つけられなかったことや電車が土砂に巻き込まれるシーンがなかったこと、猫を土に埋める彼らと土砂に飲まれた彼ら，大雨のあと湊と星川の浴びた眩い光など、彼らが死んだのではないかと思える描写もある。しかし故坂本龍一氏のaquaと共に地上に出た彼らと美しい景色は希望を感じさせるものだった。
ただ個人的に分かりやすい方が好きなので万引き家族よりちょい低く点数をつけた
