四番手

怪物の四番手のレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
3.6
子どもたちの会話や地方コミュニティのリアリティと対照的な、マンガ的とも思える大げさなやり取りがところどころあり、前半では不気味さを高める上で効果的だったのだが、後半の繊細な心情や関係性を描くべき箇所でも見られたために少し鼻白んでしまった。

その割に、終盤での登場人物の心情が転換した理由がいまひとつ明確でなく、心中で何が起こったかわからないまま勝手に納得してしまったという、置いてけぼり感があった。

勿論、犯人当てをするような作品ではないため、全てをクリアに描くべきだったとは全く思わない。だが、前半の巧みさが高めた期待に後半が答えてくれるものと思って観ていたために、どうにも腑に落ちないまま映画館を後にすることになった。
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