このレビューはネタバレを含みます
当事者か、非当事者かで傷付くポイントが異なりそうな作品。
ちなみに僕は前者なので、各所で湊視点で言葉を受け取りどんよりとしました。
誰にも悪意がないけれど、悪意のない言葉こそより苦しいんだよね。
そのほか、教師陣を激詰めする安藤サクラのシーンや、怪物だれだゲームをしてる時の子どもたちの言い回しとかに坂元節が効きまくってて少し笑ってしまった。
子どもがそんなくどいこと言わんて!
"今日が雨で良かった" と思う日が人生では至る所にあると思うんだけれど、その究極系が子供達にとっては台風だったのかな。やはり子どもには敵いません。
そして最後のシーンで流れた坂本龍一のAqua。台風一過でそれぞれが抱えている問題が全て解決した訳は無いんだけど、全員を肯定してくれるような音楽で暖かくなりました。
それにしたって、子供の危うさだったり脆さだったり、何なのかよく分かっていない感情の機微を映すのが上手すぎる…
誰かを好きになること、誰も好きになれないこと、好きは一種類では無いこと、性別二元論で全てを括るのは無理なこと。
今後出会う色んな知識が彼らを救ってくれますように、そしてこの夏がちゃんと彼らの宝物になっていますように。
この映画に歌が無くて本当に良かったです。