このレビューはネタバレを含みます
とても感情を掻き乱されて(特に序盤)、鑑賞後には形容し難い疲労感があった。
終盤、大人達は嵐の中、子供達を探すため廃線に取り残された電車の中を覗こうと必死に泥を払う。
それでも雨は強く、拭っても拭っても隠すように泥がまた窓を覆い被せしまう。
痺れを切らした大人は無理やり窓をこじ開け中を覗いてくる。
そこに至るまでの一連の流れを凝縮したようなシーンに思えて印象的だった。
自分も子供の頃、全てを親や先生、大人達に話せてそして理解してもらえていたかといえばそうではない。
おそらく多くの人がそういう経験は多少なりともあるだろう。
出てくる登場人物はみんな間違ってない、けどみんな正しいともいえない。
テトリスのように一つのパーツがずれたことによってその後うまく修正ができずに全てが噛み合わなくなっていくような状況に
、
そうじゃないのに。
と俯瞰して見ている側としてずっと苦しかった。
ラスト、ゲームオーバーなのかゲームクリアなのかは視点によって違うのだろうけど、子供達が笑顔になることができたことに少しばかりの安堵感を覚えた。
豚の脳とか、しょうもないしょうもないとか、独特なワードチョイスは坂元裕二なのだろうけど、何故だろうそれが良いとはもう思えなくなってきたんだよな。