誰も彼もが絶賛しているのでやや言いづらい部分はあるのだけれど、正直なところ、期待していたほどではなかった。
坂元裕二さんの脚本も素晴らしかったし、是枝監督の演出も素晴らしかったのだけれど、その組み合わせによってそれぞれの良さが80点止まりになってしまったというか。
作品のタイプは違えど、『カメラを止めるな!』のような「この場面、じつは裏側から見るとこういうことでした」という見せ方。それは意表を突くし、伏線回収といった効果は抜群に高いのだけれど、このテーマに臨むのであれば、もっと正面から骨太に描いてほしかったなという思いも。
ラストシーンはあまりに幸福と解放に満ちていて、だからこそ切なかったよね。