yoshipy

怪物のyoshipyのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

安藤サクラの母視点の間、感情移入し過ぎて本気でおかしくなりそうだった。
モンスターペアレント?は?
自分の息子が怪我して精神不安定で理由聞いたら原因が先生で、学校にあんな対応されればああなるわい
リアル過ぎる演技に、もし数年後息子がこんな目に遭ったら?と思うと怒りと不安で心拍数が上がって涙が出た。

そして力尽きるまで殴り倒したいとさえ感じていたホリ先生の人となりを知り、事実を知り、この作品の怪物の正体に気付いて鳥肌が立った。

湊とヨリくん。
何でしょうか。本当に何でしょうか。
ただただ危うくて、脆くて、眩しくて、尊い。
二人の秘密基地、誰にも邪魔されない、自分を好きでいられる、肯定できる場所。
これ以上ないでしょうという、幸福な時間。
辛い日常との対比に、涙が止まらなかった。
どうとでも取れるラストシーン。
美し過ぎてまた涙が溢れた。

多様性という言葉や考え方が少しずつ認知されてきた今。
私も正直なところ、一生懸命理解しようとしている部分がある。
安藤サクラ演じる母の
あなたが結婚して家庭を持つまで..=普通の幸せ 
というセリフ、私も息子がもう少し大きくなった時そう言ってしまってたかもしれないし、現にそう願ってしまっている。
そして、息子が大切で本当に大切で、盲信的になる気持ちも痛い程わかる。

大人達が子供達といかに向き合えてないか。
多面的に物事を捉える難しさ、それぞれの大切なものを、正義を守っただけで、悪が存在しないからこその絶望感。
突きつきられた矢印に居た堪れない気持ちになった。

今作、キャストはもう言わずもがな、凄まじい演技だけど、子役の二人が天才過ぎた。
是枝監督の作品の子役、一貫して天才。
演技じゃない。ナチュラルにしか見えない。
是枝監督が子役演出の天才なのか。

そして、坂本裕二×永山瑛太
最高です。最高の離婚の時の瑛太と同じくらい、瑛太じゃなきゃこんな居た堪れない気持ちになれなかったと思う。

是枝監督と坂本裕二がタッグ組むって知った時、菅田将暉と小松菜奈が結婚した時くらい嬉しかった。
神作品なのは約束されてるだろうと思ってたけど、ここまで期待を越えてくれるとは、さすが過ぎます。
私は怪物です。
yoshipy

yoshipy