このレビューはネタバレを含みます
とても良かったです。多くを語らずにストーリーが進行していくのが心地良く、それでも大まかな内容は理解できるのが素晴らしいと感じました。こういった作品を作ることができるのは役者の方々の演技力があってこそだと思います。
ストーリーは理解できても、人によって受け取り方が違うのがこの作品の良さであり、是枝作品の良さであると感じました。それぞれのシーンに意味があると感じ、観終わった後に色々考えてしまうので、長時間余韻に浸ることができました。自分なりに解釈はできましたが、答えは無いと思います。
ラストが印象的でした。「万引き家族」もラストが非常に印象的で、一度しか観ていませんが鮮明に覚えています。ラストの良さも是枝作品の素晴らしさだと思います。
予告を見てもどういう話か理解できませんでしたが、複雑なので当然だと思いました。前情報は入れずに空っぽで観るべき作品です。
以下、少しネタバレを含みます。
湊と依里の感じている世界観が一般人には到底理解できないレベルで、教員、いじめっ子のレベルの低さが顕著に表れていたと感じました。その中で校長は第一印象は悪かったものの、2人の世界観を理解している役回りだったのはすごいと思いました。自分のような一般人から見ると湊と依里、校長は「怪物」だったのかもしれないと思います。それでも湊と依里を理解しようと試みた早織と保利は非常に優れた「人間」だったのかなと感じました。ただ、映画を観ている人からすると教員、依里の父親、いじめっ子、保利の恋人のような「人間」が「怪物」に見えました。あくまで個人的見解です。
