しゅり

怪物のしゅりのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.2
雨が止んで陽射しに照らされ走り出す、ああ、ここで終わる、絶対ここで終わるよ、私はママと先生のその後が見たかったんよ、この先きみたちはどう生きてくの?そういうのを知りたいんよ、でもこの作品でそれをやるのは意味がない、だってたぶんこの映画の主題そこじゃないだろうからね、うううここで終わるうううううううわかるううううう綺麗だもんねでもいやだあああああああ続きいいいいいいい って思った
坂本龍一の音楽とこの作品は私のセンスとしては全然しっくりこなかった なんか気持ち悪さすら感じた もはやジャズとかのが合うと思った いやジャズも変か 綺麗なピアノの音じゃなくて軽快なピアノの音の方が合うような?

常に物語上で起こる問題に対して解決を求めてるわけじゃないけど、色々モヤモヤは残った じゃあどうしたらよかったんだろうかとあっちの立場、こっちの立場に対しての正解を探しちゃった でもそういうことではないんだすみっこにいる子供たちの小さくて切なくてまっすぐな想いを守りたいというような、"子供の事情"の映画だから そういうのはとても好き でもなんか、「そうか、こういうケースもあるんだな」と知ることだけでいいのだろうかと思った いや知らないよりはいいか でも子供の世界で大人はいつも「なにもわかっていない存在」でしかいられないのかなとか そういう切なさもあった

先生パートではマッツの偽りなき者を思い出した
子供ってまじ変なとこで言い淀むし意味不明な嘘つくしよくわからない庇い方するし、子供に携わる仕事をしている大人としてはそういうのにしょっちゅう腹立ちまくるんだけど、子供が隠すから大人にはわからない「なにか」があって、その「なにか」を追求するのではなく、頭の中で決めつけず、いろんな可能性があるかもと思いながら冷静に穏やかに対応することが大事かもという学びがあった 怒っていると他の可能性が見えなくなるので
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