このレビューはネタバレを含みます
苦手な是枝裕和監督に脚本がこれまた大の苦手な坂元裕二、ずっと観るのを躊躇っていましたが。
いつも曖昧な終わり方して解釈を観客に投げ出す是枝裕和監督作品ってボクは基本的にダメでして、それとこの世は所詮真っ暗みたいな事をキャラに喋らせる坂元裕二も嫌いでね。
そんな中でも今回の映画は比較的面白く観れたんですが、それは構成にあるでしょうね。
シングルマザーの視点、担任教師の視点、そして子供たちの視点。
三者三様、結局誰が正しいか間違っているかではなくて、そんな固定観念を持って決めつけたがる人間の思考パターンそのものを揺さぶる仕掛けです。
まァ、ちょっとこの上から視点的な脚本は鼻につくんですが(笑)、一人だけ悪人扱いされて校舎から飛び降りようとした瑛太が耳にしたのは下手くそな吹奏楽の楽器の音で、またその音を出していたのは自分をスケープゴートにした校長ときっかけを作った生徒だったとゆう皮肉。
描きたかったのはここなのかな？と思いますが、ラストは実は2人の子供は死んでしまった説も含めて今回もまた答えを出しません。
是枝監督は毎度このパターンですからね、想像はしてましたが、勝手な思い込みかもしれませんがトリュフォーの【大人はわかってくれない】が発想のベースにあるような感じもするから、あのラストに匹敵するようなものは見せて欲しかったかな？
やっぱり苦手同士がコンビで来られるとキツいですが、この構成は無敵なんですよね、【羅生門】スタイル。
でも【羅生門】を書いた橋本忍の脚本作なら【切腹】の方が好きだな。
