yusukepacino

怪物のyusukepacinoのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

是枝裕和と坂元裕二の初タッグ作。
音楽を担当した坂本龍一の遺作でもある。
誰にも潜む怪物。怪物は誰なのか。
母、教師、息子の3人の視点で描かれる。
子供のいじめなのか教師の暴力なのか。各々真実を言っていると主張するが当然子供の意見が尊重され教師は居場所を失う。校長や学校の保身も絡み、本当の事を知らないまま母は息子を庇い自体は大きくなっていく。
母が望む父のように男らしく生きられないことに葛藤する少年は誰にも打ち明けられず苦悩する日々を過ごす。
少年と親友は互いに家庭内に居場所のない中で2人だけの秘密基地を作り出してそこを根城とする。その2人だけの空間は誰にも侵されたくない場所だった。
行方をくらました2人は光の射す方へと向かっていく。

シングルマザーやいじめに教師や家庭内暴力、モンスターペアレント、そして性的マイノリティといった社会問題を盛り込みつつ、怪物を炙り出していくが観る人に委ねられるその怪物は最終的には明示されない。重く、各々が抱える嫌な部分が見え隠れして爽やかですっきりする作品ではなかったことは確かだった。
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