yusukepacinoさんの映画レビュー・感想・評価

yusukepacino

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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.4

雪が降る京都の貴船が舞台でそこにある老舗旅館で働く仲居や従業員と宿泊客の悲喜交々がコミカルに描かれる。
その周辺だけが2分間を行ったり来たりする。その間の記憶は残り、各々先に進もうとしたり、今まで言い
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

法廷劇。ミステリー風なスタートで山荘で転落死した男とその家族の所謂闇が暴露されていく。
彼は自殺か他殺か。
別々の国で生まれて母国語の違う夫婦。一方の国で住み、互いに互いの言語を使えない。さらに視覚障
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ミュージック ~僕だけに聴こえる音~(2024年製作の映画)

3.3

ルディ・マンキューソの監督、脚本、主演作。ブラジルと音楽。
主人公の名前もルディだから自伝なのだろうか。
リズミカルな作品。人々の動作等がリズムを打っているかのように見えて音が聴こえる。
パペットとの
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.6

クリストファー・ノーランの監督デビュー作。70分という中編規模の作品ながら彼らしさが随所に見られてモノクロなのもあってヒッチコックの映画を観ているようでもあった。
創作のネタ目的で明確なマイルールを持
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.7

考えさせられる内容だ。今は薄まってはいるが意識的にも無意識的にも少なからず人々に蔓延る差別意識。日本人と朝鮮人。そして被差別部落問題。
実際に起こった福田村事件を題材にドキュメンタリー作品を撮ってきた
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.8

石井裕也監督による新人監督から見た映画業界の闇。そして虚実綯い交ぜ感。同監督の『茜色に焼かれる』でも描かれたコロナ禍での困難。自身の家族を題材にした映画を撮ることに躍起になる女性新人監督。ある出会いは>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.8

瀬尾まいこの同名小説を三宅唱監督が映画化した本作。
PMSとパニック障害。イライラと発作。
男女のお互い理解されにくい病気を抱えて働く職場で2人が出会い理解し知っていくことで近づく距離。お節介だと思っ
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ツイスターズ(2024年製作の映画)

3.8

竜巻で大切な人を失った主人公というのは共通項としてあるが物語に直接的には相互関係が無さそうな『ツイスター』の続編としての立ち位置の作品。
『ミナリ』で描かれた大自然に竜巻をミックスしたリー・アイザック
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上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)

3.8

傑作『切腹』の小林正樹監督×橋本忍脚本による時代劇。三船敏郎を主演に彼と相対することになる同僚に『切腹』で主演を張った仲代達矢を添える。そこに司葉子、加藤剛が絡み、お馴染みの山形勲、神山繁、三島雅夫ら>>続きを読む

あこがれ(1958年製作の映画)

3.7

フランソワ・トリュフォー監督の初期の短編映画。
少年達のあこがれ。そして対象へのいたずら。サドルに残った彼女の匂い。青さを感じる。
冒頭から自転車に乗るスカートを履いたベルナデット・ラフォンの瑞々しさ
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.4

マシュー・ヴォーン監督によるスパイ映画。
ハードなものを想像していたらかなりコミカルな作品である意味個人的にサプライズ感が強かった。
所謂巻き込まれ系かと思いきやそうでもないという不思議さもあってエリ
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アリゲーター(1980年製作の映画)

3.4

時代を考えるとかなり健闘しているアニマルパニックムービー。トイレに流されたペットの子ワニが下水溝で生きていてあるモノを食べたことにより巨大化し地上に上がって人々を襲う。シンプルさはありながらも化学的な>>続きを読む

サーカス(1928年製作の映画)

4.2

1920年代のチャップリンの映画は私にとっては特別な作品群だ。
本作も例に漏れず高校生の時に初めて観て以来何度となく鑑賞していて体に染み込んでいる。無声映画にあるオーバー(良い意味で)な全身を使った演
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ツイスター(1996年製作の映画)

3.4

新作に向けて。『スピード』のヤン・デ・ボン監督作。そして脚本をあのベストセラー作家のマイケル・クライトンが担当し、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮として作品に携わるという豪華な布陣。
ヘレン・ハ
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妻は告白する(1961年製作の映画)

3.7

年の離れた夫との望まざる結婚生活に愛を渇望する女。悪女とは。
増村保造×若尾文子の名コンビによる法廷ラブサスペンス。
夫と妻と妻の愛人の3人が岩壁から転落し、絶体絶命のピンチに。妻は自らの命を守るため
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マッチング(2024年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

恋愛に奥手なウェディングプランナーが決心して登録したマッチングアプリ に纏わる話。
この主人公の恋愛経験がないことが災いして近寄ってくる2人の男性を最終的に信じてしまう。それがどんなことになるかも知ら
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セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)

3.4

フランス産サメ映画。忠告を聞いてやめておけば。
容赦無いサメのアタックが見られる作品。海ではなく川に現れるという。数あるサメ映画の中でここまで絶望を感じさせるラストはあっただろうか。学者が危険を伝えて
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バッド・デイ・ドライブ(2023年製作の映画)

3.3

ノンストップアクションムービーかと思いきや所々ストップして犯人の要求に応えるリーアム・ニーソン主演作。
家庭を顧みず仕事人間だった主人公マットが子供達を学校に送りに行くために車に乗って運転し始めた時か
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蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

3.6

『蛇の道』の続編だろうか。冒頭に関連性がチラつくのと主人公が同名なぐらいであとはほぼオリジナル作品とも見受けられる。
出演者含めて黒沢清版北野映画みたいな感じ。前作にはなかったような大杉漣によるユルい
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蛇の道(1998年製作の映画)

3.7

黒沢清監督による復讐劇。セルフリメイクされた作品が公開中ということで予習も兼ねて鑑賞。
一連の哀川翔主演の復讐シリーズの1本とも捉えられる。
娘を殺された宮下が謎の数学教師の男と結託してヤクザを監禁し
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

シリーズ5作目。前作に登場したフュリオサの過去を描くスピンオフ作品。
前作ではシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサを本作ではアニャ・テイラー=ジョイが演じる。マックスが出ない中どのようなものとなるか
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

3.8

緑の地を目指して。
30年の時を経て甦ったシリーズ4作目。かなりの歳月が経過したことによる諸事情等で前3作で主人公のマックスを演じたメル・ギブソンからトム・ハーディにバトンタッチされている。そして新た
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マッドマックス/サンダードーム(1985年製作の映画)

3.0

シリーズ3作目。
アメリカが製作国に名を連ねることで逆に『マッドマックス』シリーズにあった良さを削ぎ落としてしまった作品。『インディ・ジョーンズ』と化してしまっている。
魔窟のようなところに放り込まれ
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マッドマックス2(1981年製作の映画)

3.5

かなり作風が変わっていて戸惑うシリーズ2作目。ただこの世界観は嫌いになれない。
前作にあったスピード感はなくなっているが迫力が増していて破壊力がある。
荒野を彷徨いガソリンを探し求める旅に出るマックス
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マッドマックス(1979年製作の映画)

3.4

若きメル・メルギブソン主演によるバイオレンスムービーシリーズ1作目。そしてシリーズ通して監督するジョージ・ミラー。両者共にオーストラリアを代表する世界的な映画人となっていく記念すべき作品。
首領ナイト
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関心領域(2023年製作の映画)

3.7

寡作で知られるジョナサン・グレイザー監督のおよそ10年振りの長編映画。
まずはカンヌ国際映画祭のグランプリ受賞おめでとうと言いたい。
4年前に彼の映画監督デビュー作である『セクシー・ビースト』を評価し
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.6

古典落語の演目『柳田格之進』を基にした時代劇。白石和彌監督×草彅剛。顔立ちから彼は時代劇に映えるように感じた。
消えた50両を巡る話。浪人になっても武士の品格、品位を保つ男。罪を被せられ災難を重ねてよ
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フリーキー・フライデー(1976年製作の映画)

3.3

後にリメイクされたり派生作品を生み出すことになる子役時代のジョディ・フォスター主演作。それにしても1976年はフィルモグラフィから彼女の充実度が窺える。
お互いに不満のある母親と娘が入れ替わるドタバタ
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ミッシング(2024年製作の映画)

3.8

当事者と報道。
幼い娘が失踪した家族と報道の在り方、そして近年の問題でもあるSNSでの誹謗中傷を描く。
吉田恵輔監督とタッグを組む石原さとみ。挑戦的で難しい役柄を演じる彼女の体当たりな演技が見ものか。
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シティーハンター(2024年製作の映画)

3.6

海外では何度か映像化されてきた『シティーハンター』がようやく日本で映画化。
原作終了から数10年経つが根強い人気がある作品。今回はやはり日本国内で制作されたこともあってかなり再現度が高い。そして何より
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猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.5

リブートシリーズ4作目。またここから3部作となるのだろうか。
前シリーズの1作目のオマージュともいえる冒頭からスタートする。人間(エコー)が絶滅危惧種的な存在となっていて猿から人間に進化して猿に退化し
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.7

終始ゾワゾワした感じ。行ってはいけない場所。ハリウッドリメイクが決まったデンマーク/オランダ産ホラー。
デンマーク人の家族がイタリアのバカンス中に出会ったオランダ人親子。再会した家族は人里離れた家に招
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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017年製作の映画)

3.5

リブートシリーズ3作目。
聖戦。そして新型猿インフルエンザの猛威。激化する人間対猿。シーザー対大佐でもある。前2作よりは動きが少なく迫力という面ではそれらの方が個人的には好き。ただ、よりエモーショナル
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猿の惑星:新世紀(ライジング)(2014年製作の映画)

3.5

リブートシリーズ2作目。シーザー誕生から10年後の世界。前作の主役だったジェームズ・フランコが続投ではなくジェイソン・クラークに、監督もルパート・ワイアットからマット・リーヴスにバトンタッチした本作。>>続きを読む

猿の惑星:創世記(ジェネシス)(2011年製作の映画)

3.5

新作に合わせて鑑賞。前シリーズは過去に鑑賞済み。
リブートシリーズ1作目。前シリーズとは違ったアプローチでもって展開していくストーリー。
まだ猿の惑星がない現代を舞台にしたチンパンジーのシーザー誕生秘
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.0

青春映画であの頃を思い出させてくれる作品。20歳ぐらいの時にジミーと同様に旅の女性に恋をして別れた経験がある私としては彼に感情移入してしまっていた。
久しぶりの藤井道人監督と清原果耶のタッグ作。台湾と
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