yusukepacinoさんの映画レビュー・感想・評価

yusukepacino

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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.8

あの黒澤明監督の名作『生きる』を舞台をイギリスのロンドンに移してリメイクした本作。脚本をカズオ・イシグロが担当するなど力の入り用が違う。ランニングタイムをギリギリまで削ぎ落とす工夫も見られる。志村喬が>>続きを読む

ふるさと(1983年製作の映画)

3.9

いつまでも残って欲しい作品。
珍しい名脇役加藤嘉の主演作。
岐阜県の徳山村を舞台に徳山ダム建設に揺れる田舎の村人達を描く。
冒頭の村の紹介が市原悦子のナレーションのためか『日本昔話』を想起させながらの
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I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)

3.7

懐かしい。
ショーン・ペンは幅の広い演技で1990、2000年代を代表する俳優の1人。本作もこの難役を見事に演じ切ってアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
また、娘役のダコタ・ファニングも天才子
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異人たち(2023年製作の映画)

3.8

山田太一の原作が今に甦る。
3年ほど前に観た大林宣彦監督の『異人たちとの夏』。あそこにあったノスタルジーはなくなっているが本作も素晴らしい雰囲気を持った作品に仕上がっている。
設定も変わっており特に主
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PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.3

パクられた豚を探す男。
最愛にしてビジネスパートナーでもある豚。
ニコラス・ケイジのこのビジュアルもあってもっと彼が怒り狂って暴れまくる映画を想像して観るとちょっと違うなってなるなと思った。
何という
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俺に賭けた奴ら(1962年製作の映画)

3.6

何処となく後年登場する名作『あしたのジョー』っぽさを感じる鈴木清順監督流ボクシング映画。
ボクシングと八百長。
その世界とは別のところで普通の仕事をしながら生活していた男がボクシングの試合を観に行って
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.2

密室劇。
ゲイカップルと養女の束の間を脅かす闖入者の来訪。彼らが強引な手段で迫る選択には大きな意味があってそれは世界に及ぶ規模のものだった。何故自分達が選ばれたのか誰もが半信半疑になる状況下で見せつけ
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百花(2022年製作の映画)

3.3

そうかこういう映画だったのか。
認知症になった母とその息子。息子は妻との間に子供が生まれる予定だが母は認知症が進行していく。そんな中で母との昔の思い出が蘇ってくるがそれは良いものだけではなく思い出した
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ラブ・ポーションNo.9(1992年製作の映画)

3.3

ラブコメ。何かジャケットが好き。
若き日のサンドラ・ブロック主演作。
冴えない男女のラブ・ポーションNO.9。
生物学者のポールが想いを寄せるダイアン。彼女に振り向いて欲しい。そんな中で出会った怪しげ
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ボーイズ・イン・ザ・ボート ~若者たちが託した夢(2023年製作の映画)

3.5

ジョージ・クルーニー監督作。
熱き男達の挑戦。そして戦争があるという時代背景。
あのヒトラーによる1936年のベルリンオリンピックに臨むこととなる2軍の8人乗りボートチームに纏わる実話を基にしたストー
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地獄の曲り角(1959年製作の映画)

3.3

藤原審爾の原作を藏原惟繕監督により映画化した本作。ノンクレジットだが今村昌平が脚本に絡んでいるらしい。
ホテルのボーイの裏の顔。夢に取り憑かれた男。
ホテルで起こった殺人事件の発見者の1人となり現場に
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名探偵コナン vs. 怪盗キッド(2024年製作の映画)

3.3

怪盗キッド登場回の総集編。
もうお馴染みになった本編映画に先駆けてのこちら。
怪盗キッドは度々劇場版にも現れるキャラクターで最近のテレビアニメ版を追えていない私でももちろん知っている準レギュラーに近い
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.7

冒頭からなかなかおもろい。
ずっこい映画やで。
ヤクザにカラオケ行こって誘われる合唱部の部長でソプラノ担当の中学生の少年。
また近寄ったきっかけが誘拐とかそんな悪いことじゃなくて組のカラオケ大会でべっ
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.7

14歳の少女に恋をして。
ケイリー・スピーニーのロリータ風な魅力。
エルヴィス・プレスリーが歌わない映画。
バズ・ラーマンの『エルヴィス』が動だとしたら本作は静だろうか。
ソフィア・コッポラらしい作品
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エルヴィス(2022年製作の映画)

3.5

エルヴィス・プレスリーのルーツ。黒人音楽との出会い。今ではそこまで違和感なく白人がブラックミュージックを歌うが当時としては禁忌に近くマスコミや宗教団体から抑圧を受ける。そしてパーカー大佐がマネージャー>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

3.6

ほつれる。タイトルの妙。
結婚生活が冷め切っている夫婦。妻は不倫中に思わぬ事故に出くわし心の拠り所を失う。気づき気づかれてもやめられないし、出会った頃に戻れる訳でも今更やり直して再出発することも出来な
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オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.5

『オーメン』の前日譚。悪魔の子ダミアン誕生までの秘話。
4は観ていないため分からないが1〜3を観た中で本作を観ると母と子、誕生がテーマなこともあってモザイクがかかるシーンもあるなど格段にグロテスクさが
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オーメンIII 最後の闘争(1981年製作の映画)

3.0

シリーズ3作目。32歳になり駐英大使にまで上り詰めたダミアン。
本作でダミアンを演じるのはのちに『ジュラシック・パーク』シリーズで知られることになるサム・ニール。
メギドの短剣で命を狙われるが悉く回避
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オーメン2/ダミアン(1978年製作の映画)

3.3

山犬からカラスへ。シリーズ2作目。
13歳になったダミアン。そして前作のグレゴリー・ペックに続いてウィリアム・ホールデンを起用する本気度。監督はリチャード・ドナーからドン・テイラーにバトンタッチ。
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オーメン(1976年製作の映画)

3.6

666。元祖『オーメン』。グレゴリー・ペックを主演に迎えた有名なオカルトホラー映画で監督はあのリチャード・ドナー。ダミアン役のハーヴェイ・スティーヴンスの不敵さが印象深い。
初っ端からダミアンのためと
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ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

3.2

原作は東野圭吾の同名小説で学生の頃に読了。正直内容は忘れていた。
7人の劇団役者に届いた新作舞台の最終オーディションの招待状。その雪の山荘に見立てた合宿で起こるある殺人事件の結末は。
劇中劇でどのよう
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.6

シリーズ4作目。3時間近くある大作になりスケールアップした久し振りの新作。
どうしても海外の監督が描くと日本はこうなるというものをまざまざと見せつけられるサイバーパンクチックな大阪からスタートする。
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.5

水墨画という歴史ある画法を現代風に描いた作品。爽やかに青春も感じる作り。
水墨画に魅了された主人公の大学生が大家に声かけされたことにより弟子となりその道に入ることとなる。
また、その大家の孫も有名な水
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

多くの犠牲者と名声。
これって表裏一体だなと感じた。

世界で唯一原爆を投下された日本。その日本で生まれ育った日本人として果たしてこの映画を評価していいのかと複雑な気持ちを抱きながら鑑賞した。
今まで
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87分の1の人生(2023年製作の映画)

3.7

模型愛好家とその意味。アルコールやドラッグからの立ち直り物語。事故により父は娘を娘は母を失い、車を運転していた女性は自身の過失により同乗者を死なせてしまったことで呵責に苛まれ、バランスを崩して苦しむ。>>続きを読む

シックス・センス(1999年製作の映画)

3.7

M・ナイト・シャマランの出世作にして当時かなり話題となった作品。ハーレイ・ジョエル・オスメントも天才子役としてアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。
小児精神科医マルコムが妻に無視され続ける日々を
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

3.7

劇場版第25作目。安定感のある作品。以前に『特別編集版 名探偵コナン 本庁の刑事恋物語~結婚前夜~』は鑑賞済み。
高木刑事と佐藤刑事の恋模様と活躍を描いた作品。ついに結婚かと思わせられたり。
お似合い
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若くて、悪くて、凄いこいつら(1962年製作の映画)

3.3

原作は柴田錬三郎。監督に中平康。
男女3人でドライブ中にひょんなことから新幹線汚職問題に絡む若者達。
ポップなオープニングからコミカルな冒頭。そのコミカルさは残しつつややシリアスになっていく展開だが興
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

1955年を舞台とした豪華なキャストによるウェス・アンダーソンらしさに溢れた作品。
不可思議なストーリー含めて。
淡めの映像にトラッキングショットだろうか、も見られてそういったところも彼らしい。
モノ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.8

もうあれから2年半も経ったのか。
劇場向け作品なので1作目同様映画館で鑑賞。3時間近くある大作。
この壮大な世界観を持つSF映画をドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がどのように終らせるのかに注目しながら観た。
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関東破門状(1971年製作の映画)

3.4

関東シリーズ3作目にして最終作。再び小澤啓一監督が登板する。また、渡哲也の日活最後の作品としても知られる。
主人公が2作目と同名だがストーリーに繋がりがあるかは不明。キャストもマイナーチェンジが施され
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関東幹部会(1971年製作の映画)

3.0

関東シリーズ2作目。小澤啓一から澤田幸弘監督へ。
主なキャストは前作に引き続いて登場しているがシリーズながらストーリーに繋がりはない。
抗争シーンが多くテイストに違いがみられハードで血なまぐさい作品に
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関東流れ者(1971年製作の映画)

3.5

関東シリーズ1作目。
まずオープニングの渋さが物凄い。ブロマイドのような写真のカットを継ぎ足した映像をバックに渡哲也の低音を響かせた唄が流れる。
お馴染みの小澤啓一監督とのタッグ作。
組長を守るために
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ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.0

当時劇場の予告で嫌という程観た本作。
サンドラ・ブロックの相変わらずの元気な姿にチャニング・テイタムってけっこう年の差があるなって思っていた。
予告では割とブラッド・ピットがフィーチャーされてたような
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.5

台湾映画『1秒先の彼女』を山下敦弘監督×宮藤官九郎脚本でリメイクした本作。
タイトルにある通りリメイク元と男女の設定が逆転していてワンテンポの早い、遅いが入れ替わっている。
舞台は日本の京都になり、主
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執炎(1964年製作の映画)

3.7

平家部落と戦争。戦争の招集令状により度々引き離される男女。執炎のタイトルそのままに情炎のように燃え上がる二人。待つ女はいつ帰ってくるかわからない相手をひたすらに想う。
監督藏原惟繕、脚本山田信夫、音楽
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