《乱れ撃ちシネnote vol.245》⇒https://note.com/mizugame_genkiti/n/n0537c1b11d4c
『怪物』
是枝裕和監督
2022年 日本
鑑賞日:2025年1月7日 Amazon Prime Video
【Introduction】
今まで観ている是枝作品はこれ。
『ワンダフルライフ』(1999年)
『誰も知らない』(2004年)
『花よりもなほ』(2006年)
『歩いても 歩いても』(2008年)
『空気人形』(2009年)
『そして父になる』(2013年)
『海街diary』(2015年)
『万引き家族』(2018)
『ベイビー・ブローカー』(2022年)
『怪物』(2023年)
とりたてて是枝監督が大好きというわけではないけれど気になって観てしまう。今まで一番好きな作品は『海街diary』だった。
『怪物』の脚本は『世界の中心で愛を叫ぶ』(2004)、『花束みたいな恋をした』(2020)、ドラマでは「カルテット」(2017)「大豆田とわ子と三人の元夫」(2021)、「初恋の悪魔」など面白さ満載でヒットを連発している脚本家坂元裕二。
しかもこの作品はクィア・パルム賞を受賞しているので見逃せない。
【物語の概要】
大きな湖のある郊外の町。
息子を愛するシングルマザー、
生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。
それは、よくある子供同士のケンカに見えた。
しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、
大事になっていく。
そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した―。
~公式サイトより~
優れた映画というものは物語を詳しく語る必要がない。
監督がその物語をどういう画角で切り取ったか、
どのように映画的であったかがその作品の真価だからだ。
父兄、教師、子どもたち、
彼らの食い違う主張がそれぞれ丁寧に描かれている言わば令和の『羅生門』。
“事実”は一つだけれど、
“真実”は人の数ほどあるということ。
誰が正しくて誰が間違っているなどということはどうでもいい、
否、それは分からないってことだ。
【Trivia & Topics】
✥体型。
とても魅力的なママを演じた安藤サクラの体型がちょくちょく変わるのはなぜなんだろう。
✥ここまで壊れている?
自分には子どもがいないので日本がここまで壊れているのかどうかが分からなかった。
✥見事な是枝演出。
終始静かにサスペンスを感じさせる是枝監督はうまい。
これこそが本物のホラー映画だと思った。
✥令和の「羅生門」
黒澤監督の「羅生門」を思い浮かべる作品だった。
✥絶妙なキャスティング。
物語が進むにつれて一人ひとりの役者の見せ場がある。
✥分けは分からなかった。
けれど、異様なエネルギーに引っ張られて観てしまった。
✥クィア・パルム賞。
2010年にカンヌ国際映画祭に設立された優れたLGBTQ映画に与えられる賞。
偏見かも知れないけれどLGBTQを扱った作品には素晴らしい作品が多い。
特に、
『燃ゆる女の肖像』
『わたしはロランス』
『パレードへようこそ』
この三本は☆☆☆☆☆。
蛇足だけどLGBTQとは、
L:レズビアン
G:ゲイ
B:バイセクシュアル
T:トランスジェンダー
Q:性的思考が定まっていない人。
ぼくは自分がBだと気がついたのは高校生の時だ。
ご自分はどこに属しますか?
【鑑賞ガイド】
😁😁😁😁
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😁😁😁😁😁:見事な作品。
😄😄😄😄:お勧めです。
😀😀😀:楽しめます。
😔😔:苦手です。
🥵:途中下車。