信濃の肉うどん男

レニの信濃の肉うどん男のレビュー・感想・評価

レニ(1993年製作の映画)
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ドイツ文学者池内紀さんの公開授業を読んで。今作より前にレニの家に行った貴重な日本人。平和と殺戮を感じるOPで掴まれ、レイのセンスが光る。気になってたナチスプロパガンダにはヒトラーの魔神的暗示力、天才宣伝大臣ゲッベルス、そして天才芸術家レニの才能があった。関与した事は事実だが(拒否権無)、今作を観て感じた事は、ただ彼女が真の芸術家であるという事。ドイツでは今もその影響力を恐れタブー視されてる 『意思の勝利』や元祖オリンピック映画2本の映像を観ると、その芸術力に圧倒され納得する。昔の仲間や映像を見返して"ここの撮り方が〜"と楽しそうに話すレニの姿でも、ただ純粋に作品に向き合っただけに感じる。結果として悪魔に力を与えた形となるが、そこにはヒトラーの眼力の凄さと暗示力があり、彼女はそれと時代の被害者だ。終始レニの意志の強さには感服する。最後の彼女の言葉が辛い。その後101歳まで穏やかに過ごしてほしいと思った。
"山々や名声の絶頂から無人の世界へ。これは偶然か?"

分割鑑賞(5/25〜)