レニの作品情報・感想・評価・動画配信

「レニ」に投稿された感想・評価

べらし

べらしの感想・評価

3.5
この映画で描かれているのは芸術的才能に溢れ、人を魅了し、感情豊かで、統率力があって、部下から尊敬され、そして…

「1935年にはチャーチルでさえヒトラーを礼讃していた。私に何が分かるっていうの???」
上旬

上旬の感想・評価

4.1
「私の罪は何ですか?」

『オリンピア』そして『意志の勝利』というドキュメンタリー映画の先駆でありナチスのプロパガンダ映画をつくった女性監督レニ・リーフェンシュタール。

90歳近くになったレニへのインタビューを軸に構成されている。

政治性を無視すると『意志の勝利』は緊張感とダイナミズムに溢れ、『オリンピア』はスポーツをどう映すかを考え抜き美しく芸術的な素晴らしい作品だ。そこは疑いようがない。彼女は映画監督としての才能があるのだ。

インタビューの現在の姿を見ても気が強く、時代の流れに上手く乗る才能があることが分かる。しかし彼女は乗るべき流れを見誤ってしまった。

彼女の罪は自己中心的な性格だろう。ナチス政権下ではユダヤ人の迫害を知らなかったはずがないのに見てみぬふりをしたし、アフリカでも生活に興味があるというよりも見世物的な視線を感じる。そしてもう他者は必要ないかのごとく水中へと興味を持つ。彼女はどこまでも自分が好きなんだと思う。

でもそれは当時のドイツ人はみなそうであって、レニだけが許されないというのは才能ある女性への妬み、差別もあるのではないか。彼女が過ちだったと認めている以上もっと早くに映画づくりを認めてあげてほしかった。

かなり長い作品だが貴重なレニの処女作『青の光』や未完の『低地』の映像を観ることができるというだけでも一見の価値がある。
美を追究し、フィルムにおさめた 驚くべき人、 ダンサー、女優、映画監督、写真家、ダイバー として、映像表現とともにエネルギッシュに情熱的に生きた生涯を伝えるドキュメンタリー映画。「レニ」は2019年1月に再公開されたようです。それが今年まさか自宅で観られるなんて!この機会にぜひ観て欲しい。

このレビューはネタバレを含みます

ただ映像が好きな女性だった、
撮影、出演、編集、芸術に命をかける。

この映画では、
山での命がけの撮影、
如何に工夫してフィルムを撮影したか、
ベルリンオリンピック映像の撮影の技法、
ベルリンオリンピックの日本選手の映像、
ナチス政権下の映像、
レニの撮影のこだわりなど
他の映画では恐らく見れないだろう映像、最先端の撮影技法などが見られます。

撮影に興味ある人には面白いと思います。

レニは素晴らしいカメラマン。映像オタク。
映画の中ではレニは90歳、とても魅力的な女性でした。現役で活動し、記憶も技術も劣ることない姿が映っています。

私は、レニについてたまたま知る機会があり、この映画を見ました。レニを知る以上のものが詰まっていると思います。

90歳でこのファッションセンスはとても元気が出る。緑のワンピースにピンクのジャケット!紫の口紅!
レニはダンサーだったけど映画を見て衝撃を受けて監督が泊まっているホテルに押しかけて仲良くなって女優デビュー、雪山で雪崩をかけられる撮影を何度もこなして死ななかった。戦後も71歳でスキューバダイビングの資格を取ったし98歳の時乗ってたヘリコプターが墜落したけど死ななかったし100歳で映画を撮ったし101歳で結婚もしたらしい。
人生って長いなぁ。
結局認められなくても自分の美を追求していたのだから、幸せだったのじゃなかろうか、
kakko

kakkoの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

返す返すも残念だ、レニ。ー記憶と記録

 こんな時でないと集中して観られない3時間の超大作ドキュメンタリー、面白かった‼

返す返すも残念だ、レニ!
  ~映画「レニ」から、記憶と記録

 女優、ダンサー、写真家、映画監督として卓越した才能に恵まれたレニ・リーフェンシュタール。
 ナチのプロパガンダ映画「意志の勝利」、ベルリン五輪映画「民族の祭典」を撮り、戦後はナチ協力者として長らく黙殺された。70歳を過ぎてからアフリカのヌバ族を撮った写真集「ヌバ」で劇的な復活を遂げる。
 映画は、激動の人生を送った本人への容赦のないインタヴューと未公開映像で構成。

 写真集『ヌバ』の衝撃的な美しさ(「ヌバ展 」1980西武美術館)、タブーとされてきたナチス時代の未公開映像…… その感性、技術、才能が比類のないものであることは疑いようもない。ファシズム的完璧主義というレッテルなどモノともしない、迫力満点の芸術至上主義者。

 創造者としての前半生を微細に正確に、そして饒舌に語る彼女の生命力は圧倒的だ。が、ナチスやヒトラーとの関係になると、その正確な「記憶」が「記録」と食い違う部分があり、それを指摘されても頑なに認めようとしない。
 本人の中ではウソをついている気は全く無く、整合性が取れた物語の1ページ。「記憶」の正確さがかえって不自然だ。「時代が悪かった、自分は知らなかった」では済まされない。

 結果を心からは受け入れないまま、晩年優れた写真家として復活し、突出した芸術作品を遺した、魅力的な女性…。

 返す返すも残念だ、レニ!
 無かった事にはならないんだよね。だからこそ「記録」を残すことは大切なのです。
kur

kurの感想・評価

4.5
レニ・リーフェンシュタール本人が出演する彼女についてのドキュメンタリー。まず、とても面白い。
「意志の勝利」で戦後非難され続けたレニだがこのドキュメンタリーにおいて自分自身の戦争責任を完全に否定している。ナチスの頽廃芸術についても酷評しクラーナハと印象派以外は現代(30-40年代)のものが好きだと語る。
だがこのドキュメンタリーはリーフェンシュタール視点で作られたものであり、当事者から語られる歴史というのはしばしば本人にとって都合のいい記憶にすり替わっていたりする。(だから歴史的考証の正しさをこの映画に求めてはいけない)
合間合間で出てくるドキュメンタリー撮影の風景をハンドカメラで撮った映像には齢90を超えたリーフェンシュタールが監督と撮影の仕方などをめぐって言い争う姿が収められている。

しかしこの映画の面白さはあれだけの人生を生きたレニ・リーフェンシュタールという女性が存命のうちに彼女を出演させ、自身と時代について語らせたことでありまたその芸術観を極めてわかりやすく伝えてくれたことだ。

「オリンピア」「意志の勝利」「青い光」ヌバ族の写真、その他作品からわかるようにリーフェンシュタールの美学というものは極めてシンプルなもの、言うならば古典的な美への信仰、そして芸術家はその美を示すための純粋な媒体でなければならないという古典的芸術家像。

この美への信仰は潰えることなく様々なところで現代にいたるまで存在するのでその強大な力をリーフェンシュタールはとことん信仰したのだ

作中で出てくるファシズム美学という言葉に憤慨するリーフェンシュタールはそれを結果論であると言いたげだが彼女がモチーフとしてナチスの美の表象を利用したのは確かだろう。「悪」でも美しければいいというリーフェンシュタールのある意味で純粋な「媒体」ぶりが本人の口から語られていると思う。
同時代の作家は多くアメリカへ亡命した。リーフェンシュタールは残った。なぜなら「祖国を愛しているからよ!」。

リーフェンシュタールは時と場所によって全く違った人生を送っただろう。それほど彼女はナチス的だった。
これほどのドキュメンタリーがなぜ埋もれているのか。
多くの人に見てほしい
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.5
‪「レニ」‬

いよいよR. ミュラーによるスペクタルドキュメンタリー映画(3時間越え)「レニ」が国内で初BD化かつHDニューマスターを使ったのは世界初との事…歓喜だ。

レ二・リーフェンシュタールが38年に監督し、金獅子に輝いた「オリンピア」は傑作。確かG. アレッサンドリーニの「空征かば」と同受賞していた…。

‪冒頭、海中の描写。

不意にナチスのモノクロ資料映像。アフリカ先住民ヌバとの戯れ、カメラは一軒の家を映す。ナレーションが始まり、無数の写真、レニ彼女自身が映り込む。

今、リーフェンシュタールのもう一つの姿が露にされる…

本作は2部構成であり、3時間超えのドキュメンタリー映画で、R.ミュラーによる93年の作品で、この度BD化され再鑑賞したが、海中の描写やモノクロ画像が断然に綺麗になっていた。

さて、レニが監督した数本の作品は最も優れたプロパガンダ映画とされているが、個人的にはクリモフの「炎628」が最高のプロパガンダ映画だと思う。

ムルナウのファウストやラングのメトロポリスが撮影されたスタジオでレニが語る話は興味深い。

レニが監督に憤慨する場面やSSのパレードやヒトラーの演説は強烈だ。にしてもNHKの”映像の世紀“なので集められている資料映像とは全く異なる映像が山のようにあって非常に改めて新鮮に思えた。

最初に彼女を引きに撮る画は構成的に美しい、建築の姿が現われるからだら。2部からオリンピア(民族の祭典と美の祭典)積み重なったショットの数々に感動を覚えるし、裸像の如く引き締まった肉体美で槍を投げ、走り、水に飛び込み、聖火リレーし、日本国旗や米国旗が空高々に登るシークエンスは感激。

特に高飛び込みの撮影技術はあっぱれ。

レニの当時の映画に対しての苦労話をしている貴重な映像も見れる。

やはりさっさとオリンピアのBD化をして欲しい。米国版ではなく、独版を。

それにユダヤ人迫害の水晶の夜の一場面も出ていたが、確か今年の11月9日でベルリンの壁が崩壊され30周年と言うことでドイツ近辺ではお祝いムードだが正直、

水晶の夜の事件があるから微妙な立ち位置の人々もいるよなと…‬ ‪でもこの映画すごく魅力的だよな、

ナチのプロパ映画を撮った1人の女性の理想と思想の悲劇を探り、老いを日々感じるレニ自身が依頼し出来たのだから…風前の灯の最後の”私“を映画と言うフィルターを通して意義深さを強調してる。

長いが観て損無し…‬
起きたら終わってた。
みなみ会館のイス、ふかふかで寝心地ばっちりです!
ナチスの党大会の様子をヒトラーに撮るように指示された女性、レニのドキュメンタリー。

少し観るだけでわかるくらいには天才だった…。この時代に生まれたことが不憫に思える一方で、この時代に生まれたからこそ輝けたってところもあり……。なんだかなあって感じ。
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