柔らかいセメントの上に何を落とされたんだろう…?
印象派展を観に広島まで来たはずが、不可解な遺言による狩集家の相続権争いに無理矢理巻き込まれる整くん。
相変わらず思ったことを口に出しまくり、車に轢き殺されそうになったり、拒否していた行動をせざるを得なくなったり、踏んだり蹴ったりな部外者。。
攻撃されると攻撃的になるんですに共感。話し合えばいいのに、バラバラになって殺されちゃうにも、あるあるな展開だよね、とふんふん納得。
整君のセリフは、ばっさばっさと違和感のある考え方にメスを入れてゆくのが爽快でありつつ、自分にもプスプス刺さって痛くもある。
親に、親類に、近所の人に、学校の先生に、正しいと植え付けられたこと、思い込まされたこと、捻じ曲げられたこと、受け継がれてしまったこと、どれだけあるんだろうかと、空恐ろしい気持ちに。
盲目的に何かを信じ込んでしまったら、どうなるのか。
取り返しのつかない傷がついてしまったら、それを癒すことはできないのか。
自分の頭でよく考えて発言と行動をすることの難しさをしみじみ考えさせられる物語です。