このレビューはネタバレを含みます
映画版『ミステリという勿れ』。久能整が広島に住む一族の遺産相続に立ち会う。当主の4人の孫たちが骨肉の争いをする展開は、序盤であっさりと崩れ、連続殺人は起こらない。汐路はなかなか際どいことをする。子供という存在に対する社会の在り方も、ひとつのテーマであるかもしれない。推理の矛先は、8年前に当主の子たちを死に至らしめた事故の真相について。少しずつ情報が開示されていく。ダンディ。自殺した宝田の脚本のビデオ。このビデオはどういう目的で作られたものなのかは不明。気色の悪い因習の存在が判明、殺人の動機の奇妙さが際立つ。ミステリにおいてしばしば軽視されがちなホワイ・ダニットが、この作品では重要な意味を占めていることが多い。でんでんとか木場勝己とか、あの世代はやはり広島弁が上手な気がする。また、滝藤賢一はあまり方言ではなかった気が。犯人とかはある程度。ぎすぎすしていた孫たちの仲は良いものに。もう結構です。