複数のエレメントが暮らす「エレメント・シティ」を舞台に、火のエレメントのエンバーと、水のエレメントのウェイドの出会いと恋を描くストーリー。
様々なエレメントが暮らすエレメント・シティは多民族が暮らすアメリカ合衆国の表象、複数のエレメントが共生している町なのに相容れないエレメントとは一緒にいることさえ許されないのは人種問題を表しているんだろうなあ。
そして家族との絆が強い移民が多い火のエレメントは、アジア系の表象。
ストーリーの中心となるのは、父親の夢が詰まった店を継ぐことこそ自分の望む生き方だと思ってきたエンバーが、新たな生き方とアイデンティティを見出すまでの過程を描くこと。
そしてエンバーとウェイド、まだ若い2人の恋と絆、相手のことを捨て身で思う恋心には涙…！
作品の本筋とは関係のない感想を付け加えると、作中に水を堰き止められなくなって
火のエレメントが暮らすエリアに水が押し寄せる場面があるのだけれど、自然災害の多い日本向けには「水害を思わせるシーンがある」ことを注意喚起してくれてもいいんじゃないかなあと思った。
主人公2人の関係性についても、きちんと「恋愛だ」ということをアナウンスした方が観に行きやすいんじゃないかなあ。
若者2人の美しいラブストーリーだから、そういうのが好きな人にきちんと届いたらいいのに、と思った。
2人の「火」「水」それぞれの個性を表現する映像が美しく、大きいスクリーンで観るのにピッタリの作品だった。
ピクサー作品、やっぱり好き！
