ジョニー

その夜の侍のジョニーのネタバレレビュー・内容・結末

その夜の侍(2012年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

一見サスペンス色の強い作品かと思い、堺雅人や山田孝之の演技力に、最初から引き込まれて行くのですが、この作品で伝えたかったのは、平凡とは何か?単純そうですが、この映画では重厚なテーマとして捉えています。

平凡に生きたい者、平凡から脱したい者、様々な人間模様を、ある事件を通して映し出しています。振り返れば、ソファーだったり、台風だったり、あえて、他愛のない会話がふんだんに散りばめられた事に気づきました。ラストの雨の中の帰り道で、「ラーメン食べに行く」とか他愛無い会話をした瞬間、堺雅人が平凡でいる事の幸せに気づいたんでしょうね。

家に着いて、毎日聞いてた奥さんが残した留守電メッセージを消去する事で、深い悲しみを断ち切り、新たな人生の一歩を踏み出そうとする所が、実に切ない。配役も抜群で、隠れた秀作だと思います。