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Witchcraft(原題)
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『Witchcraft(原題)』に投稿された感想・評価

「サイコマニア」(1973)などのドン・シャープ監督による英国製ゴシックスリラー。「ウィッチクラフト(Witchcraft)」とは「魔女の呪い」の意味。

古くからの墓場が土地の有力者ラニアー家による再開発のため埋め立てられている。猛然と抗議するウィットロック家の当主モーガン(ロン・チェイニー・Jr.)。300年前、この土地はウィットロック家のものだったが「一族の娘ヴァネッサは魔女だ」とラニアー家が告発し土地屋敷を奪ったのだった。以来、犬猿の仲の両家だったが双方の若者であるトッド・ラニアーとエイミー・ウットロックは密かに愛し合っていた。そんな中、ラニアー家の者が次々と変死する。実は墓を埋め立てた際に、かつて虐殺されたヴァネッサが蘇っていたのだ。。。

シャープ監督の「怪人フーマン・チュー」(1964)や「サイコマニア」を気に入ったので、初期のゴシックスリラーを鑑賞。

墓場や屋敷のロケーションと切り取り方が良く、英ハマーホラーというよりイタリアンゴシックホラー的なムードを巧く再現していた。魔女バネッサを演じた女優は国際的には無名だが、バーバラ・スティールから愛嬌を取り去ったような良い面構えをしていた。

シナリオは、現代が舞台のゴシックスリラーとしては定番的な流れだが、魔女ヴァネッサの呪いによる各殺害シーンは映像演出ともかなり完成度が高い。バックミラーや階段の上に不意に姿をあらわす恐怖演出はJホラーの先駆と言えるだろう。

そもそもの設定が魔女と告発され土地屋敷を奪われた一族の復讐譚であり、金儲けのために墓を埋め立てた被害者たちに同情はしにくい。かと言って、魔女ヴァネッサへの同情を煽るような演出もされておらず、正義の位置は最後まで曖昧である。

ただ、最終的に魔女一族の子孫であるヒロインが、恋人である敵一族の子孫をかばって愛に殉ずるのは明らかに悲劇。そこから逆算して考えれば本作の裏テーマは反ブルジョア・反体制だと確定できる。それを声高に主張せず、大衆向けに見せかけの勧善懲悪譚に仕上げてヒットさせたシャープ監督ら制作者の手腕は高い。大衆は、理解できなくとも潜在意識に弱者の悲劇が刻まれたことだろう。

低予算映画の職人されるシャープ監督だが、どの作品にもハッとさせられる印象深い映像演出があり、他作品もいずれ観てみたいと思っている。
3.5
魔法陣、祭壇、人形、黒頭巾と古典的で良い