さききち

みなに幸あれのさききちのレビュー・感想・評価

みなに幸あれ(2023年製作の映画)
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2024年46本目

どうしてもタイミング合わず、劇場で観れなかった映画。アマプラ配信が始まったので即鑑賞。

芝居の臭ささえ意図したものに思えるような、奇天烈ホラー。所謂「ムラ」系作品だけど、これは(良くも悪くも)なかなか強烈。
邦画インディーズの悪い部分が煮込まれたような作品でチープな手触り、そして嫌悪感溢れるカットの数々に、「コレジャナイ」と拒否反応が出る人も多いだろう。

「幸せは誰かの不幸せの上に成り立つ」、宇多田ヒカルの「誰かの願いが叶うころ」の歌詞を彷彿とさせるテーマが鑑賞後も胸に渦巻く。

『ゾンビ』のように、かつてホラーは、社会風刺の側面を持っていた。そんなホラーのあり方が日本に復活した。

古川琴音は、表情が凄まじい。何だあの泣き笑い。終盤の強烈なカットなど、ともすれば、今後のキャリアに響きそうなのに、よくこの映画に出る決断をしたな。その英断に、信頼できる俳優だと感じた。
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