幸福とは他人の不幸の上に成り立っている。テーマ自体は明解なのだが、その面白さが繋がっていないのが残念。
あちこちに暗喩めいたものも散見されるが、個人的にはホラー映画にメッセージ性の必要性をあまり感じない。挙げ句に終盤にやたらと説明的な台詞でテーマを語られる為、折角の臭わせを台無しにしている。捕まえてきた「犠牲者」の目と鼻を縫う理由もよく分からない。
ただ、気が狂いそうな主人公とは裏腹に、祖父母も両親も当たり前のように平然としている姿が不気味さを醸し出し、さらに、演技なのか素人っぽい台詞回しが逆に得体の知れない居心地の悪さを感じられた点は評価したい。