このレビューはネタバレを含みます
生々しさはにじみ出ているのだけど、同時にファンタジックでもあるなあと思いました。
霧は隠れるのにちょうどいい、みたいなセリフがあった。終盤のお祭りの場面あたり、あのへんが幻想的で。隠れてるシーンなのかなと感じながら観ていました。説明が少なすぎて(それも良いところなんだけど)捉えきれていませんが...。
「淵」は何を指しているか?それはこの集落のことでもあるし、イヒカ=モラトリアムのことでもある気がします。そこに留まらなくていい、縛られていると思い込んでしまうかもしれないけど、そうじゃないんだよと伝えてくれている。
解釈をこちらにすごく委ねていて、みえていないんだろうなという部分も多い。けど、自然の雄大さとか、生活音(食器の音、咀嚼音、風の音、歩く音、静けさとか)でゆったりとした村の時間をそのまま伝えてくれているところが良かった。