ゆうぞう

波紋のゆうぞうのレビュー・感想・評価

波紋(2023年製作の映画)
3.9
ほとんど無表情の筒井真理子を見て
踠いても逃れられない悲しき人の運命と嘆くか
困難があるからこそ、さあ笑って前に進もうと70年代ドラマ風に立ち向かうかと感じるのは人それぞれだけど
監督のニュートラルな視点を通して
これは日常生活を営んでる自分達の物語なのかと思えてきた

そんな忌まわしき、いや、喜ばしき日常を
演技派と呼ばれる俳優の皆さんが演じるものだから実際に1人の女の生活空間にいるかのような錯覚に

江口のりこ、平岩紙の気持ち悪さ
キムラ緑子の胡散臭さ
憎たらしいジジイの柄本明の背中に見え隠れする哀愁
こんなお荷物いらねえよ と放り出したくなるような光石研の情けなさ

とにかく全ての俳優がいい
特に日本アカデミー賞はこの作品で筒井真理子に最優秀主演女優賞を与えるべきだ

そして演者としても登場人物としても安定の木野花

肉を切らせて骨をたつ

この映画で一番好きな彼女の言葉
ゆうぞう

ゆうぞう