ハヤメソソ

波紋のハヤメソソのレビュー・感想・評価

波紋(2023年製作の映画)
3.0
『かもめ食堂』の荻上直子監督作。
筒井真理子さんが静かにストレスを溜めていく、主人公を好演。
まああんなんじゃ新興宗教にもハマるかもね…と思える。
途中、木野花さん演じるスーパーの清掃員に触発され、我慢することをやめてから、一見スッキリしたように見えたが…。
突然失踪した挙げ句、病気になり医療費目当てに戻ってきた夫。しかも自分の父親の介護も丸投げにしておいて。
急に報告もなく彼女を連れて実家に泊まる息子。彼から吹き込まれた母親の情報をダシに駆け引きをしようとする、したたかな息子の恋人。スーパーの客。隣人。
夫は言うまでもないが、息子の恋人に腹が立ったね…。障害のあるなしは関係なく、普通に気も主張も強くて嫌だ。
じわじわとその辺りの嫌な感じを突いてくる。
木野花さんとのシーンだけが、ほっこりと心癒され、トゲトゲしていた主人公の気持ちをもいやしていた。
あそこは良いシーン。

ラストは雨天なのに快晴で、撮影日がなかったのか?と最初は疑ったが、演出なのだろう。
喪服(なぜか真っ赤な襦袢)の草履で、庭の枯山水をめちゃくちゃにしながら、狂ったようにフラメンコを舞う主人公の姿は、まるで白昼夢のようだった。